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第17章 翼を・・・ください

「ご家族と…連絡を取ることは
出来ませんか？」




『…どういう・・・状況なんですか？』




俺は看護師の問いに
やっと受け答えをして


答えを濁しながら
状況をなんとか聞き出した






つまりは…危ない状況だから







子どもは・・・諦めるしかないと




それでいて…

俺が…これをちゃんと理解したのは
後になってのことだったんだけどさ





普通の…いわゆる一般的にイメージする
中絶手術と同じ方法は
もうとれないから



もう…惨すぎて

残酷すぎて…

あんま口に出すことも
正直難しいんだけどさ俺・・・



要するに


普通に…産むのと同じ方法…




逆に…もうそれを止められない

マリアの中にもういられない状況…

それはつまり…その子が
生きられないことを示してる





生きられないと…わかってて
人口的な手を加えて

産んでしまうことで
外に…出す方法しかない






そんな…えげつない現実を

マリアは今…突き付けられてる









そんな…理解も出来ない
受け入れがたい状況を耳に入れた俺を
動かしたのは結局…




このままだとマリアにも…危険が及ぶ

その事実…。







仮に放っておいても…時間の問題

最悪の場合はマリアも・・・





母体を・・・マリアを助けるために

早くその措置をとらなければならない





長引けば…マリアは

マリアも・・・助からないかもしれない





マリアの意識も混濁してきたらしい…







だから手術だ…同意だ…保証人だのって

ごちゃごちゃと…



入ってくる言葉が上手く理解も出来ず

なにほざいてやがんだよこのヤロウ…

なんて思って俺は




そんなの…なんとでも、後じゃ

俺じゃダメなのかよ！？

なんでもするぜ、俺に出来るなら

だから早くマリアを助けてくれよ！




・・・無茶苦茶を飛ばしそうになった後やめた




退けられることはわかってる

無駄な事をごちゃごちゃ言うより

マリアを助ける方法があるなら…


それを知ってるなら


それが近道なら

迷う理由など…ない

どこにも・・・ない














今・・・マリアを助けられるのは


その為に必要なのは


確実に…俺じゃねぇんだ