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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第17章 翼を・・・ください
愛情表現ひとつにしても
色んな方法がある・・・

色んな人がいる

男と女も違う…



男と女は違う・・・



確かに違う


何かにつけてのやり方も
感じ方も


愛情も・・・悲しみ方も


まるで違うかもしれない



俺も男だ・・・

だけど・・・少なくともこの時




マリアの悲しみは

俺の目の前にある、その姿は


俺にとっても、なんの違和感もない
ごく当たり前で…まっとうで

俺にとっても…すぐそばに感じられる悲しみ

同じ悲しみを感じている・・・


少なくとも俺はこの時
そう思ったんだ




そんな中だから

どうしても違和感を感じてしまったのは
言うまでもなく…







我が子を失った悲しみに寄り添いもせず

一緒に悲しんでもくれない夫・・・



代わってやることの出来ないその痛みに
労りも慈悲も示さず
更に塩を塗り込むような事を言う夫・・・




マリアの妊娠を知った時…
あの男は少なくとも好感を示した



その時も既に不穏な気配は感じていたが




さすがにそんな風に
考えたくも感じたくもねぇけど…




あの人にとって
マリアの妊娠…我が子を授かる事さえも
自分にとっての好都合な〃ツール〃でしか
なかったのか…



病院で鉢合わせて一悶着したあの日の…
あの不気味な微笑みを
俺は否応なしに思い出していた



都合の良い材料を見つけたから付け入る

それが無くなったから、それだけのこと…





失われた命の重みを
あの男は一体どれほど感じてるのだろうか…





そんな…冷血で無慈悲な夫の言動や態度から


マリアは…
あの男の…そんな腹の内を

少なからず感じ取ってしまったんじゃ
ないだろうか・・・






マリアの言葉は、そんな事を
示してるように俺には思えた









だって…誰が見てもおかしいじゃねぇか



そりゃ、もしかしたら
あの人にしかわかんねぇ愛情表現とかで
あったかもしんねぇよ?

できればそうだと俺は信じたかった


だけど・・・現にマリアは
ひとりで泣いている






あんたの…子だろ?

自信たっぷりに「俺の子だ」って言った
あんたの子だろうが…


死んだのはお前の子だぞ?


俺はさっさと去って行くあの男の肩を
取っ捕まえて何度もその耳に…
ヤツに確かめたかった
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