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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第17章 翼を・・・ください
翌日・・・俺は
ひっそりとマリアの入院してる
病院に向かう
そりゃ…余程の混乱に乗じてでもなきゃ
堂々となんて行けないからな
そんな俺の前に…
俺より先に病室の前にうろうろしてる
ある種の・・・今の俺にとって
好都合なヤツが立っていた
『・・・シノくん』
見舞いの花束下げて
ミユが立っていた
俺・・・最低だと思うけどさ
コイツがいることによって
俺はあの男から身を隠す事ができた
そして・・・おそらく今も
『何してる・・・』
『・・・』
入るに入れなくて
朝からずっとそこにいたみたいだ
そしてさりげに、それはつまり
あの人はまだ来ていない…その情報が
俺に入ることになり…
『会うのか?・・・』
『会わせて・・・もらえないよね…普通』
そう言ってミユは
花束を俺に差し出して来た
ついでに…〃見張ってろ〃
…とまでは言わないが
俺はミユを放置して、病室に入った
コソコソ・・・すんのは仕方ないから
『マリア・・・』
マリアは昨日と同じ方を向いて
ベットに横たわっていた
『ゆぅ・・・ちゃん』
俺を見て少しギョっとしてる
…もちろん、その理由はわかる
『大丈夫、すぐ・・・行くよ』
ミユがいるとは言え
下手に旦那と鉢合わせなんて
して良いことはひとつもない
『それ・・・わざわざ?』
マリアが控えめで鮮やかな
花束に視線をおくる
『あ・・・俺から、じゃ、ねぇんだけど
置いても・・・良ければ…な』
『・・・・・・うん、ありがとう』
意味を理解したマリアは…
さすがに笑いもせず
かと言って怒りもせず…花束を受け取った
正しく言うなら
笑うも泣くも…怒るも憎むも
何一つ…感情を持つ力も残っていない
そんな表情だ・・・
『あの人…来るよな?』
もう昼前だ…鉢合わせたりなんか出来ない
早く行かねぇとな
『・・・さぁ』
マリアはまた窓の外
遠くを見た
ひっそりとマリアの入院してる
病院に向かう
そりゃ…余程の混乱に乗じてでもなきゃ
堂々となんて行けないからな
そんな俺の前に…
俺より先に病室の前にうろうろしてる
ある種の・・・今の俺にとって
好都合なヤツが立っていた
『・・・シノくん』
見舞いの花束下げて
ミユが立っていた
俺・・・最低だと思うけどさ
コイツがいることによって
俺はあの男から身を隠す事ができた
そして・・・おそらく今も
『何してる・・・』
『・・・』
入るに入れなくて
朝からずっとそこにいたみたいだ
そしてさりげに、それはつまり
あの人はまだ来ていない…その情報が
俺に入ることになり…
『会うのか?・・・』
『会わせて・・・もらえないよね…普通』
そう言ってミユは
花束を俺に差し出して来た
ついでに…〃見張ってろ〃
…とまでは言わないが
俺はミユを放置して、病室に入った
コソコソ・・・すんのは仕方ないから
『マリア・・・』
マリアは昨日と同じ方を向いて
ベットに横たわっていた
『ゆぅ・・・ちゃん』
俺を見て少しギョっとしてる
…もちろん、その理由はわかる
『大丈夫、すぐ・・・行くよ』
ミユがいるとは言え
下手に旦那と鉢合わせなんて
して良いことはひとつもない
『それ・・・わざわざ?』
マリアが控えめで鮮やかな
花束に視線をおくる
『あ・・・俺から、じゃ、ねぇんだけど
置いても・・・良ければ…な』
『・・・・・・うん、ありがとう』
意味を理解したマリアは…
さすがに笑いもせず
かと言って怒りもせず…花束を受け取った
正しく言うなら
笑うも泣くも…怒るも憎むも
何一つ…感情を持つ力も残っていない
そんな表情だ・・・
『あの人…来るよな?』
もう昼前だ…鉢合わせたりなんか出来ない
早く行かねぇとな
『・・・さぁ』
マリアはまた窓の外
遠くを見た