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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第17章 翼を・・・ください
『・・・待たせたな』
帽子を深く被り直し
無意識に泣き腫らした目を隠して
少し離れたとこにいたミユを呼ぶ
『・・・行くぞ』
ミユには悪いが、並んで歩く唯一の利点
カモフラージュできること…
ミユと並んで病院を出る
お互い一言も発することもなく
病院の横の広場を通って帰る
無理もないけどな
話すことなんか・・・ない
俺が今・・・最も顔も見たくない女だ
だけど俺・・・
憎いって気持ちをどっかで抑えてた
コイツを憎んでも、責めても
罵声浴びせてもなにしても・・・
〃命〃は・・・戻って来ないから
何より俺に
そんな気持ちを芽生えさせたのは
他でもない
マリアの言葉や、その姿だった
マリアは・・・誰のことも責めなかった
誰よりも悲しんで
それでいてアイツは
きっと誰よりも自分を責めてる・・・
なのに・・・
俺のことも、ミユのことも
マリアはただの一言も責めなかった
俺がマリアの立場なら…まず真似出来ない
それは…マリアの
その人柄の持った〃心〃であり
逆に
それ以上とない失意の底にいる…
そう言うことだと思う
怒鳴っても、わめいても
泣いても、叫んでも
あの子は還ってこない・・・
相手を恨んでも憎んでも
何も…
憎しみからは・・・何も生まれない
俺はマリアに
それを教えられた気がしたんだ・・・
帽子を深く被り直し
無意識に泣き腫らした目を隠して
少し離れたとこにいたミユを呼ぶ
『・・・行くぞ』
ミユには悪いが、並んで歩く唯一の利点
カモフラージュできること…
ミユと並んで病院を出る
お互い一言も発することもなく
病院の横の広場を通って帰る
無理もないけどな
話すことなんか・・・ない
俺が今・・・最も顔も見たくない女だ
だけど俺・・・
憎いって気持ちをどっかで抑えてた
コイツを憎んでも、責めても
罵声浴びせてもなにしても・・・
〃命〃は・・・戻って来ないから
何より俺に
そんな気持ちを芽生えさせたのは
他でもない
マリアの言葉や、その姿だった
マリアは・・・誰のことも責めなかった
誰よりも悲しんで
それでいてアイツは
きっと誰よりも自分を責めてる・・・
なのに・・・
俺のことも、ミユのことも
マリアはただの一言も責めなかった
俺がマリアの立場なら…まず真似出来ない
それは…マリアの
その人柄の持った〃心〃であり
逆に
それ以上とない失意の底にいる…
そう言うことだと思う
怒鳴っても、わめいても
泣いても、叫んでも
あの子は還ってこない・・・
相手を恨んでも憎んでも
何も…
憎しみからは・・・何も生まれない
俺はマリアに
それを教えられた気がしたんだ・・・