この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第17章 翼を・・・ください
『・・・ごめんなさい』
沈黙に耐えきれないのか
ミユが口を開いた
『・・・・・謝る相手が、ちがうだろうが』
『・・・』
俺はマリアといる時とは異なって
ミユに歩幅を合わせることもなく
さっさと歩いた
『私・・・シノくんが大変なことになる
それだけが、嫌だったの…
恐かったの・・・だから
やめてほしかった』
ザッ・・・
ミユの言葉に
広く長い公園通りを歩いてた足が止まる
『勝手なこと言って…勝手なことして
大きなお世話…余計なお世話って
うざがられるってわかってた』
『・・・』
『でも・・・それでもほっとけなくて
〃普通の彼女〃なら…諦めだってつく
なのに・・・まさか、そんな関係なんて
そんなのイヤだって・・・
シノくんの人生メチャクチャになるじゃん
って…
あの女性(ひと)を…傷つけるつもりなんか
もちろんなかった・・・
シノくんのことも考えて
ちゃんと…考え直してほしい、って
それがつい…
口論みたくなっちゃって、あたし
二人とも思い留まってほしい
それだけだった…』
『・・・』
『なのに・・・まさか』
『・・・』
『まさか・・・お腹に
赤ちゃんがいたなんて・・・っ…っ』
後ろに目を向けずとも
ミユが嗚咽を堪えて泣いてるのがわかる
『・・・だけど結果として
それが、お前のした事だろう・・・』
俺は切り捨てるように
冷たくミユに言い放つ
『・・・そうだね。
あたしのしたことは…人殺し。
一生消えないし、償いきれないこと』
なんでマリアにあんな事をしたんだよ?
仮にそう問うならば
その一因は…紛れもなく
俺にある訳だから
それは取るに足らない問いだった
ミユを…狂気といって良いくらいに
あんな暴挙に出るほど
駆り立てさせたモノ・・・
目の前で見ても未だ信じられない
ってくらいの
見たことのないミユの姿だった・・・
その原因は…俺にある
理由はどうあれ、俺にある
俺の…逃れられない現実のひとつだ。
だけど・・・俺
沈黙に耐えきれないのか
ミユが口を開いた
『・・・・・謝る相手が、ちがうだろうが』
『・・・』
俺はマリアといる時とは異なって
ミユに歩幅を合わせることもなく
さっさと歩いた
『私・・・シノくんが大変なことになる
それだけが、嫌だったの…
恐かったの・・・だから
やめてほしかった』
ザッ・・・
ミユの言葉に
広く長い公園通りを歩いてた足が止まる
『勝手なこと言って…勝手なことして
大きなお世話…余計なお世話って
うざがられるってわかってた』
『・・・』
『でも・・・それでもほっとけなくて
〃普通の彼女〃なら…諦めだってつく
なのに・・・まさか、そんな関係なんて
そんなのイヤだって・・・
シノくんの人生メチャクチャになるじゃん
って…
あの女性(ひと)を…傷つけるつもりなんか
もちろんなかった・・・
シノくんのことも考えて
ちゃんと…考え直してほしい、って
それがつい…
口論みたくなっちゃって、あたし
二人とも思い留まってほしい
それだけだった…』
『・・・』
『なのに・・・まさか』
『・・・』
『まさか・・・お腹に
赤ちゃんがいたなんて・・・っ…っ』
後ろに目を向けずとも
ミユが嗚咽を堪えて泣いてるのがわかる
『・・・だけど結果として
それが、お前のした事だろう・・・』
俺は切り捨てるように
冷たくミユに言い放つ
『・・・そうだね。
あたしのしたことは…人殺し。
一生消えないし、償いきれないこと』
なんでマリアにあんな事をしたんだよ?
仮にそう問うならば
その一因は…紛れもなく
俺にある訳だから
それは取るに足らない問いだった
ミユを…狂気といって良いくらいに
あんな暴挙に出るほど
駆り立てさせたモノ・・・
目の前で見ても未だ信じられない
ってくらいの
見たことのないミユの姿だった・・・
その原因は…俺にある
理由はどうあれ、俺にある
俺の…逃れられない現実のひとつだ。
だけど・・・俺