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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第18章 捕らえられた・・・かごのとり
『ゆぅちゃん・・・でもさ』


着替えて部屋に戻ってきたマリアが
不安げに俺を見上げた








『どっから・・・出るの?』




と、言いつつも
マリアも出口がひとつなことは
わかってるんだろうけどな




『行こう…』


俺は先にベランダに出て
マリアの手を引こうと手を伸ばす




『・・・』




『マリア・・・』





マリアはためらっていた







『マリア・・・早く・・・』





人目につかないうちに

何よりは・・・





『このままボーっとしてたら
日が暮れんぞ・・・』





『・・・』






『したら・・・帰ってくるんじゃねぇの?』







『・・・っ』



マリアが青ざめた顔をする


脅かす訳じゃないが
俺自身もあらゆる意味で焦っていたのも
あってか、マリアを急かした








『ホントにさ…どうやって来たの?』




『・・・。そこ…配水管に足引っかけて

あそこの少し出っ張ってるとこ使って…』




俺はバルコニーから少し身を乗り出して
マリアに説明した








ブルブルっ・・・





マリアは必死で頭を横に振った





『む……無理っ!!絶対・・・』









まぁ・・・だよな普通








『ゆぅちゃん・・・何考えてるのよ

ここ何階だと思ってるの?!

もしも・・・』







落ちたら?……そりゃアウトだぜ



わかってるだろうけどさ








『・・・バカ』




『他に手がなかったんだ、しゃあねぇだろ。

ごちゃごちゃ言ってねぇで早く・・・』






『いや・・・』





マリアは冷や汗かいて
震え始めた





『マリア・・・』






『まって・・・』






マリアは怯えながら部屋の中に戻ってしまい
マットレスの上に座り込んでしまった







『・・・それなら、ここにいるのか?』







『・・・~』








『・・・色々マズイから、俺・・・行くぜ?』
















『ま・・・まって・・・』









『クス・・・ワガママなやつだな(笑)』
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