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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第18章 捕らえられた・・・かごのとり
『マリア・・・〃次〃なんか、ないから』




俺はマリアの背中を擦ってなだめた






『あの人・・・何するかわからない』








本当・・・まったくだな





俺はマリアの閉じ込められてた
一室を…不意に見渡した




精神おかしくなったって
不思議はない・・・




命を落とすなんて
最悪こそは避けられたが



俺も、まさかこんな事になってるなんて
さすがに思いもしなかったからな



ここまでするか・・・



何するかわからない…
マリアの身をもって証明された
あの男の恐ろしさ







『・・・ゆぅちゃん…やっぱり行って

わたし・・・ここにいる』








『フゥ・・・マリア?目ぇつぶれ』





『・・・~~。・・・??』







『腹に一発入れんぞ?…寝てろ

その間に運んでやる・・・』






『ふ……ふざけないで』






『そりゃこっちのセリフ・・・』






『・・・』







『マリア・・・?しっかりしろ

こんなとこにいたら誰だって
マトモじゃいれなくなる

助けを求める事も…闘うことも
ここにいたら何も出来ない

わかるだろう?』






『・・・』







『ひとりじゃ・・・ねぇから』







『ゆぅちゃん…』








『絶対に・・・ひとりにしねぇから』









『・・・』









『だから・・・ちゃんと前を向いて?マリア』










『・・・っん』









バルコニーの影に隠れて
マリアにそっとキスした





マリアの唇が冷たい・・・

握った手も
カチコチに震えて
冷たくなっていた



手を握って・・・キスして


マリアの体温が戻るのを待つ






震えのおさまってきたマリアを
ゆっくり立たせて


俺は再びバルコニーに両手をかける









『待って・・・ゆぅちゃん』






『・・・んだよマリア、お前なぁ(苦笑)』







『ゆぅちゃんも・・・これ』








マリアが手渡すのは
部屋から拾ってきた
もう一本のロープ







『〃コレ〃があるから…いらねぇ(笑)』





マリアにくくりつけたロープの端を持つ








『マリアが俺の〃命綱〃だから(笑)』
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