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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第18章 捕らえられた・・・かごのとり
さて、さっさと階段を降りるぜ…



と、言いたいとこだが



ガックガクに震えてるマリアを
しばらく背中をさすって落ち着ける





外の空気・・・


マリアと二人で思い切り吸い込んで
呼吸を整える





『ハァ…ハァ…ゆぅちゃん・・・ごめんね』



『ハァ…ハァ・・・うん?』




マリアが俺の右手に触れた

握りしめたロープの痕が
くっきり残った俺の右手




『ああしてねぇとマリア…
永遠にあそこにいそうだったからな(笑)』


『痛かったよね・・・ごめん』






『無事だから良しとしようぜ♪
歩けるか?……長居は無用だ』




『うん・・・ぁ……あぁっ・・・』



『???どうした?』










『くつ・・・忘れちゃった』




マリアが階段に放り投げてあった
俺の靴をみてギョッとする








『あ・・・』



靴はいてちゃベランダから
ここまで渡るの危ないからな

てか…すっかり頭に
なかったってのが正しいか






『はぁ・・・私って』




『ま、仕方ない・・・それとも

・・・戻るか?』






『無理っ……絶対』



『だよな?(笑)』




さっさと諦めて
一緒に階段を降りる






『ほら・・・ないよりマシだろ?』



俺は自分の靴を揃えてマリアの前に置く




『・・・転んじゃうって。ゆぅちゃん履いて』



『ふふっ……バレた?じゃこのまま行こうぜ』





『・・・?履きなよ。ケガしちゃうよ』


『いーから♪』






俺は・・・俺も靴を手に持ったまま

裸足で階段を降りる




まるで・・・










『・・・〃あの時〃と…おんなじだね』










マリアが先に言った



まるで・・・




まるで・・・マリアと一番初めに

出逢った日のように
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