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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第19章 愛してるから・・・さようなら
『…っ、…ハァ…ハァ…ハァ…』

『っ、ん…、…ん…ん…・・・』


ズルっと…俺を掴んでた
その腕が滑り落ち

マリアがグタっとして
動かなくなった




その姿を見て俺は
ようやくマリアの中から

そのぬくもりから
はなれた





『・・・』



眠るマリアを見て
少しだけ落ち着く事ができた





涙・・・汗・・・

全身、あらゆるところが
ずぶ濡れのマリアの

身なりを整えて・・・



って言っても…素っ裸のままだけどな




マリアを起こさないように
そっと抱き上げて

ガクガクしそうな俺自身の腰を
少しばかり庇いながら
ベットに運んだ




さすがに…起きないだろうけど

そう思わせるマリアの姿




マリアが…起きてしまったら
いなくなってしまうんじゃないか



そんな気持ちからか俺は
マリアが寝るまで抱き続け

眠ったマリアを
そっと…起こさないように寝かせて
一緒にベットに入った





一緒に毛布にくるまって
横になると…

マリアの寝顔をみると
一気に俺の瞼が重くなった




キュ・・・




ちっとも力の入ってない
マリアの白くて小さい
やわらかい手を

離れないように
しっかり握って
目を閉じる






マリア・・・きっと
方法はあるよ



今日は…お互い動揺してたハズだ



これからの事も、行動も
気をつけて…ちゃんと考えれば



マリアの恐れるような
最悪なんて…回避できる




大丈夫だって・・・な?マリア






朝、目が覚めたら

俺はマリアと
そんな話をするだろう







マリアの・・・抱える思いも
ちゃんと理解できてなかった俺は


そんな事を思い描きながら
眠りについた
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