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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第20章 二人の罪・・・そして罰
俺はその場にへたり込んだ



『・・・』



マリア・・・




ウソだと思ってたわけじゃない

だけど・・・マリアが本気だった

その現実を目の当たりにして

しばらく、呆然として・・・









る場合じゃ・・・ねぇだろ








俺はメモを置いてスマホを手に取り
すぐさまマリアに電話した





〃おかけになった電話は

電波の届かない所にあるか

電源が入っていないためかかりません〃






お決まりの電子的な案内音声






まだ・・・家についてないのか





家?



マリアが返しに来ると言っている
ケータイは
俺が契約しているマリア用のスマホだ




連絡とれなくなってから
バッテリー切れしてるままのスマホ


返しに来ると言っている以上
マリアはその所在は
知ってるはず



向かうのは…当然
自分の家

マリアの城である
アパートだよな?

そうだよな・・・?





マリアのもう一台のスマホ…

マリアがいつまでも
追いかけ回されるようなツールとなる
その一台

俺のメモリに番号はまだ残っている


咄嗟にかけようとしたが…ためらう




あの夢・・・



悪夢が甦る






まさか・・・



いくらなんでも
あの男の元に

自ら戻るとは
考えられない



だけど・・・万が一



そうだったら
マズイ



そう考えたら
こっちのケータイにかけるのは
自然と…ためらわれた




少し・・・いや大分



焦りにイライラしながら



電話をかけ
つながるのを待った








RRRRR・・・






『・・・っ!?』



つながった



やっと











『・・・もしもし』






『マリアっ・・・お前なぁっ・・・』








『ごめんなさい・・・一方的に』








『今どこ?・・・家、だよな?…自分の』








『うん・・・』








『マリア・・・』







『来ちゃダメだからね・・・』








マリアが念を押すように

俺にその現実を突き付ける
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