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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第21章 覚めない悪夢(ゆめ)・・・
『・・・ぅ』


肌寒さを感じて目を覚ましたマリアが
ゆっくりと体を起こす



『・・・』



ズキズキと痛む下半身
下腹部の痛みに顔を歪ませ
マリアはカズキのTシャツに袖を通した




カチャ・・・




恐る恐るリビングのドアをあけて
ソファに寝ているカズキの姿を捉えた





このまま・・・目を開けないでほしい




身震いしたマリアは
心で呟いた





動き出せば何をするかわからない男

寝たフリしているのでは?とさえ思えて
恐ろしくなる




マリアは自然と音を立てないように歩き
こそこそするようにシャワーを浴びた




『・・・』



起きていない…熟睡している


マリアはカズキをなるべく
少しでも長く…起こさないように

冷蔵庫を開け
朝食を作った



その動きは既に…ロボットのように




大惨事のような寝室を片付け
洗濯をする







ドクっ…







さすがにカズキが目を覚ました




『・・・』


『お…おはよう』




マリアは一声だけ発して
背を向けた




トントン…



背後に歩み寄る足音がして

マリアの頭を掴む…重く大きい手





『・・・っ』



マリアは怯んで目を閉じた







『・・・おはよ、〃奥さん〃』



ポンポン…

カズキは適当にマリアの頭を撫でて
さっさと洗面所に姿を消した



悪い冗談でも言うように
現実を突きつける

この男なりの…愛嬌のつもりだろうか?



『メシ作ったの?』


『・・・余った材料、あったから』






『・・・』


『・・・家政婦さんが作った方が
美味しいよね…』



嫌みを言われて
皿でもぶつけられるかもしれない

マリアはテーブルの食器を
そっと引っ込める



『家政婦は昨日までで断った』






・・・。





カズキがドカッと椅子に腰掛けて
朝食に手をつける



突きつけられる現実がまたひとつ


マリアには奴隷契約が結ばれた
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