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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第22章 盗人の意見・・・
「篠宮~~?…篠宮はいるか?」



『・・・はい?』




「ちょっといいか?」



上司に呼ばれ仕事中に
席を外す








「悪いな忙しい所…」


『あの・・・なにか』





THE…中間管理職、みたいな上司

社員に慕われていて
ものの滅多に怒らない人…だけど




「つい先日だな…」




何やら今日は…眉間に皺寄せて
険しい顔をしている上司








「会社に問い合わせがあったんだ…」





ドク・・・っ







取引先からのクレーム…だとか
そんな通常起こりうる事ではない
どことなく…そんな気がした






「社員の教育をちゃんとしろという
御叱りと……」



『はい…ええと、どちらのお得意先で…』






「・・・企業ではない。
一般の…〃個人〃からの、問い合わせだ」






ドクっ……ドクン…ドクン





『はぁ……それで、それはどういう…』




「……篠宮」





わかっているだろう?と
言わんばかりの上司の表情





『あの・・・それが
僕と何の関わりがあるんですか』




俺はしらを切り通そうとした






「前々から…噂にも
なっていたんじゃないのか・・・」






ドクン…ドクン…ドクン



ゴクっ・・・




『噂は・・・噂です、…僕は』









バァン…っ!!






『・・・っ』






温厚な上司が机を叩いて声を荒げた








「噂だろうがなんだろうが!!!
そんな疑いをかけられること自体が
問題だと言ってるんだ!!!」







『・・・』









「…どこの業界でも
スキャンダラスな事は

そういう事ほど噂は早い
…仮に事実がなくともな

プライベートで何をしようが
お前の自由かもしれないぞ

しかしな…篠宮
我々は一定の…最低限の責任ある
組織の一員であり、社会人だ

わかるな?」






『・・・すみません』






上司に言われるのは
ごく当たり前の

人として…社会人として
常識かつ、まっとうな事
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