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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第22章 盗人の意見・・・

真夜中・・・
痛みと不快感で目を覚ましたマリアは
広いベットの横…
隣に寝ているカズキの姿に
息が止まりそうになった
死なない…死ねないギリギリに
自分をいたぶり続ける夫の寝顔
自分にまとわりついた
自分以外の体液の放つ異様なニオイ…
マリアは嗚咽をもらした
ドクッ・・・ドクッ・・・
耳から自分の鼓動の音が
ガンガンと響いてくる
手足の拘束はほどけそうに緩んでいた
音を立てずにゆっくりとといて
頭やお腹を抱えながら
そっと寝室を出る
ジャーー・・・バシャバシャバシャ
傷がしみるのも何も構わず
身体中を洗った
洗っても洗っても
ぬるぬると…太もものあたりを
何かが滴り落ちてくる
『・・・。・・・』
マリアは涙ごと
全て洗い流すように
シャワーを当てて
下腹部にはしる痛みを堪えては
掻き出すようにして洗い続けた
髪の毛も乾かさずに
着替えてよろよろとリビングに行く
散乱した電話に…
あちこちひっくり返ったままの
夕食のテーブル
ゾワ…っ
数時間前であろう
おぞましい光景が体感ごと甦る
マリアは常備してある市販の
痛み止めを気休めに飲んで
ボストンバッグを手にした
『・・・』
〃必要なものは・・・〃
『…いらない』
マリアは軽くて小さな
トートバックに変えて
最低限の着替えと
財布…保険証と診察券を確かめて
バックにつめた
〃全部・・・いらない
なにも、いらない〃
部屋の隅にこっそり隠しておいた
お気に入りの〃手作りの棚〃を
最後にそっと抱きしめて、元に戻す
〃ばいばい・・・〃
大切なものやお気に入りのもの
思い出達にさよならをする
『・・・』
気が引けた…それでも
〃・・・〃
家に連れ戻されてからは
外出もなければ
現金は1度も、1円たりとも
渡されなかったマリアは
夫の財布から
治療代を抜いた
まともに生きることも
死ぬことさえも…許されないなら
〃『自分の為に生きろ!!!』〃
誰かの言葉が
一瞬、頭をよぎった
痛みと不快感で目を覚ましたマリアは
広いベットの横…
隣に寝ているカズキの姿に
息が止まりそうになった
死なない…死ねないギリギリに
自分をいたぶり続ける夫の寝顔
自分にまとわりついた
自分以外の体液の放つ異様なニオイ…
マリアは嗚咽をもらした
ドクッ・・・ドクッ・・・
耳から自分の鼓動の音が
ガンガンと響いてくる
手足の拘束はほどけそうに緩んでいた
音を立てずにゆっくりとといて
頭やお腹を抱えながら
そっと寝室を出る
ジャーー・・・バシャバシャバシャ
傷がしみるのも何も構わず
身体中を洗った
洗っても洗っても
ぬるぬると…太もものあたりを
何かが滴り落ちてくる
『・・・。・・・』
マリアは涙ごと
全て洗い流すように
シャワーを当てて
下腹部にはしる痛みを堪えては
掻き出すようにして洗い続けた
髪の毛も乾かさずに
着替えてよろよろとリビングに行く
散乱した電話に…
あちこちひっくり返ったままの
夕食のテーブル
ゾワ…っ
数時間前であろう
おぞましい光景が体感ごと甦る
マリアは常備してある市販の
痛み止めを気休めに飲んで
ボストンバッグを手にした
『・・・』
〃必要なものは・・・〃
『…いらない』
マリアは軽くて小さな
トートバックに変えて
最低限の着替えと
財布…保険証と診察券を確かめて
バックにつめた
〃全部・・・いらない
なにも、いらない〃
部屋の隅にこっそり隠しておいた
お気に入りの〃手作りの棚〃を
最後にそっと抱きしめて、元に戻す
〃ばいばい・・・〃
大切なものやお気に入りのもの
思い出達にさよならをする
『・・・』
気が引けた…それでも
〃・・・〃
家に連れ戻されてからは
外出もなければ
現金は1度も、1円たりとも
渡されなかったマリアは
夫の財布から
治療代を抜いた
まともに生きることも
死ぬことさえも…許されないなら
〃『自分の為に生きろ!!!』〃
誰かの言葉が
一瞬、頭をよぎった

