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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第22章 盗人の意見・・・
吠えろ吠えろと言われて
俺は一体いつまで
どこまで吠え続ける事が
出来ただろうか…
『いいか盗人?よーーく聞け?』
指で挟んだタバコを俺に向けて
ヤツはプレゼンならぬ〃講義〃を始めた
『世の中は…弱肉強食だ』
・・・。
俺は、この一言を聞いて
それ以上をあきらめた
そんな記憶がある
これぞまさに平行線
永遠に交わることはない
マリアがこれまで…全てを諦めてきた
その気持ちが
俺は少し…少しだけ
わかった気がした
『お前…適当な女には適当に
よくモテるだろう?
お前みたいな、くだらない情に任せて
良いような事を口走るやつはゴロゴロいる
フフ…まぁ、となれば
俺の妻はまさに、まんまとひっかかった
適当な女ってことになるか
ハハハ…情けない限りだ』
『・・・』
『だがな…そんなヤツは所詮は
その程度のヤツにしかなれない
高い景色を…指くわえて見上げては
あーだこーだと屁理屈に言い訳
妬み、嫉み
まさに負け犬の遠吠えだ
食うか、食われるか
食われるヤツに先はない
食ってのしあがる…
それが力をつけるって事だ』
へぇ…ご立派
って、手でも叩きゃいいか?
『あんたが外で…そんな世界で
日々胃の痛い思いして働いて
体張って…ボロボロ、クタクタで帰ってくる
ただそれだけなら
あんたすげぇカッコいい旦那だな
必死に家族守ってんだから…
もしも
それだけなら・・・な』
『・・・なに?』
『家に帰ってまで…
力を見せつけて、虚勢張って
あんたつくづく
虚しくて気の毒な人だな』
『お前…』
『自分の一番近くで…いつも
毎日、毎日…
温かいメシと温かい空気で
迎えてくれる
金でも地位でも買えない
絶対手に入んねぇ
誰よりも自分を思って、愛して
守ってくれてたモンに
気付きもしねぇで
一人…家の中でまで力の誇示
見栄張って…それこそ吠えて
随分と…
悲しい人生だな』
俺は一体いつまで
どこまで吠え続ける事が
出来ただろうか…
『いいか盗人?よーーく聞け?』
指で挟んだタバコを俺に向けて
ヤツはプレゼンならぬ〃講義〃を始めた
『世の中は…弱肉強食だ』
・・・。
俺は、この一言を聞いて
それ以上をあきらめた
そんな記憶がある
これぞまさに平行線
永遠に交わることはない
マリアがこれまで…全てを諦めてきた
その気持ちが
俺は少し…少しだけ
わかった気がした
『お前…適当な女には適当に
よくモテるだろう?
お前みたいな、くだらない情に任せて
良いような事を口走るやつはゴロゴロいる
フフ…まぁ、となれば
俺の妻はまさに、まんまとひっかかった
適当な女ってことになるか
ハハハ…情けない限りだ』
『・・・』
『だがな…そんなヤツは所詮は
その程度のヤツにしかなれない
高い景色を…指くわえて見上げては
あーだこーだと屁理屈に言い訳
妬み、嫉み
まさに負け犬の遠吠えだ
食うか、食われるか
食われるヤツに先はない
食ってのしあがる…
それが力をつけるって事だ』
へぇ…ご立派
って、手でも叩きゃいいか?
『あんたが外で…そんな世界で
日々胃の痛い思いして働いて
体張って…ボロボロ、クタクタで帰ってくる
ただそれだけなら
あんたすげぇカッコいい旦那だな
必死に家族守ってんだから…
もしも
それだけなら・・・な』
『・・・なに?』
『家に帰ってまで…
力を見せつけて、虚勢張って
あんたつくづく
虚しくて気の毒な人だな』
『お前…』
『自分の一番近くで…いつも
毎日、毎日…
温かいメシと温かい空気で
迎えてくれる
金でも地位でも買えない
絶対手に入んねぇ
誰よりも自分を思って、愛して
守ってくれてたモンに
気付きもしねぇで
一人…家の中でまで力の誇示
見栄張って…それこそ吠えて
随分と…
悲しい人生だな』