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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第23章 逃避行・・・
・・・なんか


今・・・








「ハハハ、篠宮しかしアレだよなぁ~」


『・・・』


この先輩は仕事をはなれれば
仕事の話はしない

何かハナにかけるようなこともなければ
少々バカな若手社員にも

一々説教じみたことも言わない
この日も良い例だが

さりげに気を遣ってくれたり…




なのに俺は…そんな席で





ガタ・・・




「???」




『先輩・・・すみません、俺…』





俺は立ち上がってしまった







「・・・~おぉ、お疲れさん♪」






察してくれた先輩が
俺が帰りにくくならないように
促してくれる




『すみません…今日は本当に、色々と』




「フフッ…いーってことよ
~まぁ、仕事はな…かったりぃことも
やってらんねぇこともあるけどよ

盆休み…ゆっくりしてだな
また、ちゃんと出てこいよ?

な?…篠宮」





『っ・・・はい』






今の俺に、もったいない程の
心遣いだった
申し訳ないくらいに…



返す言葉が中々出てこなかったのもある



だけど俺は…無礼にも
この時、別のことに気をとられていて


先輩にろくに敬意もはらわず
足早に…先に店を飛び出してしまった








ごちゃごちゃとした繁華街…


人混みをかき分けながら走り


目でその姿を探した








〃そんなワケ・・・ねぇけどさ〃







『・・・!』





あれだ





トウモロコシみてぇなアタマを
見つけて追いかける




『ハァっ、ハァっ…』






トウモロコシ…ワ○メちゃんスカートが

ついに足を止めたのは

駅のコインロッカー





預けてた荷物を取り出して

ソイツはまた移動している






えぇっと…なんつってたっけ?

あのキモハゲオヤジ・・・










『~・・・ジャスミンチャン…?』




『・・・』






驚いた様に振り向いた


その顔は・・・






外人・・・そのものだった





そりゃそうか






人違いだった・・・





・・・。



・・・?




・・・・・・
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