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第23章 逃避行・・・

それを…ひっくるめて
自暴自棄とも言うのか？


そんな・・・痛ましい姿だから


俺は「ごめんな」、とさえ
言えなかった


そんな・・・軽いモンじゃない
マリアの痛みは







『ｹﾎｯ…ｹﾎｯ…・・・～少しは免疫ついたのに』



『・・・。毎日飲んでたのか？』






『ホロヨイだよ…。よく眠れるから…』

『・・・』





聞けば聞くほど

知るほど

心が痛くなる





満足にメシも食えないのに

飲めない酒なんか買って





嫌いな酒飲んででも

紛らわさなきゃ…寝れなかったんだろ？



知らねぇ男とセックスすんのなんか

耐えられなかったんだろうが・・・

それこそ吐き気でもするほど





だからさ・・・マリア






『もう・・・やめろよ』





無責任でも身勝手でも

俺はマリアを止めたかった



その、あまりにも似合わない

生き方を・・・止めたかった







『ﾌｩ・・・』



受け付けないアルコールを
吐き出したマリアは
少しスッキリした表情で顔を上げた








バスルームを出た俺は
マリアの体を拭いて
そのままマリアを

ありったけのバスタオルで
ミノムシみてぇにぐるぐる巻きにした





『・・・？？？』




少しぼんやりしてるマリアを
また担いでベットに運んだ





『・・・すぐ戻るから』


『ちょっと…〃コレ〃……？？』




ぐるぐる巻きで動けないマリアを
ベットに寝かせて
俺は一人、ホテルを出た





通りに出た俺は

ギリギリ…

マリアに見せなかった涙を

絞り切るようにして流し出した









マリア・・・ごめんな