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第23章 逃避行・・・

だってさ…おかしいだろ？



そりゃ人間誰しも
追い詰められりゃ何でもやるかもしんねぇよ




とことん追い詰められて苦肉の策
あるいは自暴自棄だったとか

本当にどうにもならない
それ以外に手段がなかった
それもそうかもしんねぇ



・・・だとしてもさ



マリア・・・







色んな…人間がいるぜ？

色んな生き方がある・・・

色んな男…色んな女がいていい





平気で体売る女もいりゃ

泣く泣く体を売る女だって・・・




マリア・・・お前は、って言ったらさ





・・・。






もしも…状況が
そうせざるを得ないとしても


なにがどれだけ
とち狂ったとしても


金の為に知らないオヤジと寝る…
元々、セックスに少し
トラウマを抱えてたマリアが


まかり間違ってもマリアが
転びそうにない方法




驚きと言えばそれまでだ



そうじゃなくてな




俺がなんとなく…感じてたこと

マリアの・・・やってることは








『ぅ・・・っ、…ごめん…』








俺が感じてたこと


極めつけは…コレだったかもな






『ぅ・・・う…ぇ…』





マリアの背中に泡つけて洗ってると
マリアが嗚咽を堪えて苦しそうに屈んだ




『大丈夫か？』


『ごめん…出ててもらえる？』




マリアはユニットバスのトイレに
よろよろと移動した




『出てて…お願い』



『いーから…』




俺はシャワーを強めて
室内に音を立てて

吐き気を訴えてトイレに屈んだ
マリアの背中をさする



アルコールの合わないマリアは
ごく少量の酒でむせかえっていた


『～～っ…ぅ』


『・・・』









〃自傷行為〃





俺にはマリアのそれが
そう見えたんだ








おかしいと…思ってた




どれだけ苦肉の策でも




ただでさえ
苦手意識のある事…


本人の…一番嫌がりそうな事を


キモチわりぃオヤジだの
そんな、望まない相手とのセックス


更には


苦しいのを承知で
飲めない酒を飲んでみたり






堕ちるとこまで堕ちて

更に自分を苦しめる



手首切ったり、薬の過剰摂取したり
なんてのと…変わらない



そんな・・・自傷行為にみえて

たまらなかったんだ俺・・・