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第23章 逃避行・・・

『ゆぅちゃん…くるし…はなして』


『～～っ・・・』






底抜けの罪悪感と

俺の目から溢れる涙で

マリアを離すことができなかった





『ゆぅちゃん・・・答えて

大丈夫なの？』




『っせぇな・・・俺は、なんもねぇよ』






こんな大きな犠牲をはらって

俺はついさっきまで

のうのうと生きていたんだから…






『なら・・・良かった』




『！？』





マリアは俺の胸で
あっけらかんとそう呟いた






トン・・・





マリアが俺の胸を押して
そっとはなれる







『あの人が…本当に何も咎めないなんて
半信半疑もいいとこだった

だけど…あんな書類作らせて
少なくとも、そちらに

影響なかった訳は・・・実際ないはずだから』





マリアに実際の所は何か
見抜かれてるような思いがした





『ごめんなさい・・・』





マリアが冷静になって
俺に深々と頭を下げてきた





『マリア・・・なにやってんだよ…』






『謝って済むことじゃないけど
本当に・・・ごめんなさい』






『やめろって…！』






『お仕事…本当に、変わったり…なにか
してないんだよね？』






『してねぇって・・・』






『良かった・・・』






マリアは所々アザが残る顔で
本当にホッとしたとでも言うように
微笑んだ






『・・・ちっとも、よくねぇよ』






お前が…こんなことになってんだから







『じゃ…あの人とは…関係ないんだね』





『・・・』





『また偶然？…ふふっ
ほんとどこにでも現れるんだから
参っちゃう・・・』







『こっちのセリフだっつーの…』








『さすがに知られたくなかったけどね…

軽蔑したでしょ・・・

ﾊﾊ…もう・・・会うこともないと思うから

見逃して・・・』








『何いってんだよ…早く行くぞ』







『行くって…なによ』







『荷物こんだけだろ？ほら…行くぞ』






俺はマリアのバックを持って
マリアの手を引いた





『だから…どこに・・・まさか』




『・・・』







『あの人の所につれてくの・・・？』