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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第24章 二人だけの誓い・・・
キュ・・・ギュウ




俺はマリアの首にかけた
両手に…少し・・・また少し
力をこめた




『んっ・・・』






びくっ…





マリアはさすがに驚いて体を震わせ
少し両脚をジタバタさせた





だけどそれは一瞬で




マリアは…察するように

受け入れるように




そっと目を閉じたんだ





抵抗もせずに




幸せそうにさえ見えるくらい


微笑んで・・・









ギュウ・・・







『んっ・・・ん・・・ん』




『・・・』









なに・・・やってんだよ、俺







望んだのは…こんなことか?




ちがうだろ




こんなことの為に…



死んでから一緒になる…なんて


それこそ幻想みてぇなことの為に


こんな遠くに…逃げ延びた訳じゃねぇ








このまま…現実に返れば

辛く苦しい困難が

俺とマリアを待ち構えてる




そんなことを思って

マリアを手にかけようとした俺は




我に返って…マリアの首にかけた

両手をはなした






『っ…ケホっ……ケホ…っケホ』





『ごめん・・・』









『ケホ…、私・・・・・構わなかった』







『・・・』








『なんて・・・勝手だよね

ゆぅちゃんに…殺人なんて不名誉は残せない』







『・・・』








『でも・・・それでも構わないくらい

昨日からの時間…幸せだった』





僅かな時


たった…24時間を


命と引き換えにしても良い…と


言い切れてしまうマリアに


俺の胸は底なしに締め付けられた・・・







『マリア・・・っ』





俺…こんなんじゃいけねぇよ



マリアの人生には


まだまだ幸せがある




それを断ち切るなんて


クソ大バカじゃねぇか





『マリア・・・っ、ごめんな』






繋がったまま体を起こして
座位にしてマリアをきつく抱きしめる






『マリア・・・っ』






『ゆぅちゃん・・・ありがとう』






『・・・っ』





涙が浮いてきて
しばらくマリアの顔を見れなかった





『ゆぅちゃん・・・愛してる』
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