パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第26章 運命は・・・先着順？

誰の、どんな罵声より…怒鳴り声より

俺の耳に・・・心に突き刺さった

母親の言葉だった







当たり前にわかっていて

わかっていながら犯した過ち







嘘をついてはいけない…


人をイジメてはいけない



人のものを・・・とってはいけない







誰もが…物心つく頃には


当たり前に


言い聞かされて


当たり前に知っていること







俺は・・・何も言い返せなかった






『何でもかんでも…甘く見て
許してあげる訳じゃないけど

優人はもう大人だから
今回の事が…どういう事かは
わかったでしょう？』






『うん・・・』





『耳に入った以上…親が知らん顔は出来ないわ
もし…賠償求められる事になればだけど

今回は…私達は手を貸すつもりだから
但し・・・今回だけよ

彼女とは…きっちりと清算して
終わりにしなさい』





『・・・』






『優人・・・？わかったわね？

あちらにも、事情があるかも知れない

だけど…もうあなたが踏み込むべきじゃない』








『わかってるって・・・』













『わかってないわよ・・・っ』






ずっと…なんとか穏やかさを保っていた母親が
目を潤ませて少し声を荒げた






『あんた、なんにもわかってないわよ！
結局、最後まで…書類に
サインしなかったでしょっ…！』





『・・・』





『自分で責任とるから良いとか
そういう事じゃないのよ優人！！

いけないことは、いけないの！！

だから手を貸してでも
きっちりと清算して貰いたいって

二度とこういう事がないように
身を正して、やり直しなさいって…

お母さんはそう言ってるのよ！！？』






『・・・』





耳が・・・頭が痛かった


そして


心が・・・痛かった








母親を泣かせる

家族を傷つけ・・・裏切る罪深さ





すべてを捨てようと決めた
あの時の俺には


家族を…悲しませ
裏切るだけの覚悟が


一体どれ程あったのだろう・・・


今となっては…答えがない