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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第26章 運命は・・・先着順?
『っ…グスっ……優人・・・約束して?』





『・・・。母さん・・・俺』






『約束して・・・優人・・・!』







『・・・』





いやだ・・・



とは・・・言えなかった








『優人・・・』






『・・・わかったから・・・タクシー…来たよ』






俺はビルの前でタクシーを止めて
母親を乗せた





『優人…乗らないの?』

『俺、電車のが早いから…』



『そう・・・。なにか…またあれば
連絡するのよ?…必ず…して』


『うん・・・。今日は・・・ごめん』







バタン・・・







タクシーを見送って
俺は・・・力なく

さまようように
帰路に着こうとしていた







母親に・・・少し嘘をついた


一人に…なりたかっただけだ























『火ぃ・・・かしてくれるか?』












は・・・?




建物から離れようとした俺の背後に


なんとも心地悪い声がした












『・・・』






振り向いた先には


そちらも母親を
タクシー…或いは救急車にでも乗っけて
見送ったとこなのか



解放感漂ったみてぇに
タバコをくわえたヤツが・・・立っていた






バッティングしないように
代理人側が配慮してるだろうモンを
わざわざ接触してくるとはな





こういう所が


コイツの・・・フツーじゃないトコ
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