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第26章 運命は・・・先着順？

マリアを大切にも

幸せにもしてやらないあの男は




俺が欲しくてたまらないものを

全て持っている





戸籍・・・その繋がりで

その全てを持つことを許されているんだ






マリアを〃自分の妻〃だと言って

横槍を入れる者には

制裁を加えられる権利…





夫婦の証であるリングを

その左手に・・・

お互いの指につけられる権利





マリアを…腕に抱いて

一人占め出来る権利




その未来を・・・共に描ける権利







その全てを

持っているのは…この男なんだ









胸の内に秘めた思い

あることがわかってても

表立って出てこなかっただけで

中々向き合わなかった思い…



俺は


ずっとそんな嫉妬心を抱えていた








マリアが自由になれない


最大にして唯一と言って良い理由



この男の存在・・・








軽蔑してやまない

最低のクズ野郎




だけど俺は




そんなクズ野郎に


心の底から嫉妬していたんだ








だけど俺


この日、気付いちまったんだ






そんな…煮えたぎる程の


嫉妬心を抱えていた俺だからか






見えてしまったのかもしれない







常に余裕をかまして


冷淡で…冷酷な


不気味なまでにイカレた


理解不能なその男の中にも燻る



〃嫉妬心〃に・・・