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第27章 飛べない鳥・・・

『…～っ…ゃ…め…てぇ・・・お願い』






だから…憎しみと支配欲に満ちた

目の前の手を

自分に触れている手を

受け入れられなかった







本当に強い人は

誰よりも・・・心が優しい





天から与えられたその力を

使命感でも持つように

正しい・・・優しい使い方をするのだ







あの人が・・・そうだった





なのに・・・誰もその事を知らない

世間は、あの人が〃罪人(つみびと)〃だと

信じて疑わないのだ

私は、悔しくてたまらなかった




元はと言えば……私のせいなのに

そんな勝手な事を思っていた




あの人の名誉を傷つけ

その人生を狂わせた




私の感じている

一番の大きな罪・・・









そう大した恋愛経験もなければ

幼かった私は…それまで

夫以外の〃男性〃を知らなかった






そんな私が知った・・・唯一にして最大の

愛情に満ちた…ぬくもり



本当の強さを持った

心優しい男性(ひと)・・・





本当に・・・名前のまんまみたいな人







そんな人が……同じこの世に生きている


それを知ってしまった私は

目の前の狂気と欲に満ちた

猟奇的とも言える

獣のような男が

どうしても受け入れられなかった




例え・・・罰であっても











『っ・・・やだ・・・っ～』



『ﾌﾌっ・・・バカな女は

時々可愛いぞ・・・まりあ？』






『やめて・・・下さい』







泣くまでやめない

泣いてもやめない



この男には

慈悲の気持ちなんてない


夫がやめる訳がないのに

私は、なぜ懇願するのだろう




叶うわけがないのに

人は・・・どうして願うのだろう





そこに・・・希望(なに)があると言うのだろう













『俺と まりあの子だ……可愛いだろうな？』



『・・・っ』




生々しい言葉が

私を更に恐怖させて追い詰めて






ｺﾞｿ・・・




下半身にその手が触れる・・・





『ぅ…っ！…やっ……いやっ…』




『まりあ・・・愛してるぞ』





『～～っ！！』





〃言わないで……言わないでっ

あんたが……言わないで

お願い…その言葉を・・・汚さないで〃