この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第27章 飛べない鳥・・・
笑わせるな
お門違いも良いところ
どのツラを下げて
何を言ってやがる?
今の俺には
そんな言葉が無数に飛んでくるだろう
『プッ・・・クククっ・・・
これは、これは・・・』
ヤツは予想通り
もっともらしく嘲笑って
テキーラでも煽るような飲み方で
グイっとグラスのワインを飲み干した
ドボドボ・・・っ
今にも泣き出しそうに
青ざめているマリアを尻目に
ヤツは、高そうなワインを
惜し気もなくグラスに注ぐ
『フッ……そういうバカげたシナリオは
一体どこのテキストに書いてあるんだ?
何を言ってるかわかってるのか?
自分の立場ってものを…』
『あなたのおっしゃる事は…最もです
何かを言えた立場でも…ましてや俺が
あなたに何かを要求するなど
論外です』
『もっと素直に言ったらどうだ?』
『・・・』
『自分が、この女と居たいだけだ…と』
『うっ・・・ぃ…た・・・っ』
ヤツが背を向けたまま
マリアに手を伸ばして、その手を
乱暴に引き寄せた
『・・・ちがいます』
『・・・』
『俺が・・・望むのは
そんなことじゃない』
どんなに・・・最悪でも
どれだけ・・・後がなくても
絶望の中に・・・希望を探すとしたら
『俺が、彼女と一緒にいようなどと
望むこと自体…許されない事です
彼女には・・・この女性(ひと)には
あなたという…夫がいる』
マリアと共に生きることは…許されない
俺には、マリアを幸せにすることは
出来ないんだ
俺に・・・出来ないのなら
それなら
俺が最後に・・・望むことは
『俺が望んでいるのは
彼女が・・・幸せに
笑っている事・・・それだけです』
お門違いも良いところ
どのツラを下げて
何を言ってやがる?
今の俺には
そんな言葉が無数に飛んでくるだろう
『プッ・・・クククっ・・・
これは、これは・・・』
ヤツは予想通り
もっともらしく嘲笑って
テキーラでも煽るような飲み方で
グイっとグラスのワインを飲み干した
ドボドボ・・・っ
今にも泣き出しそうに
青ざめているマリアを尻目に
ヤツは、高そうなワインを
惜し気もなくグラスに注ぐ
『フッ……そういうバカげたシナリオは
一体どこのテキストに書いてあるんだ?
何を言ってるかわかってるのか?
自分の立場ってものを…』
『あなたのおっしゃる事は…最もです
何かを言えた立場でも…ましてや俺が
あなたに何かを要求するなど
論外です』
『もっと素直に言ったらどうだ?』
『・・・』
『自分が、この女と居たいだけだ…と』
『うっ・・・ぃ…た・・・っ』
ヤツが背を向けたまま
マリアに手を伸ばして、その手を
乱暴に引き寄せた
『・・・ちがいます』
『・・・』
『俺が・・・望むのは
そんなことじゃない』
どんなに・・・最悪でも
どれだけ・・・後がなくても
絶望の中に・・・希望を探すとしたら
『俺が、彼女と一緒にいようなどと
望むこと自体…許されない事です
彼女には・・・この女性(ひと)には
あなたという…夫がいる』
マリアと共に生きることは…許されない
俺には、マリアを幸せにすることは
出来ないんだ
俺に・・・出来ないのなら
それなら
俺が最後に・・・望むことは
『俺が望んでいるのは
彼女が・・・幸せに
笑っている事・・・それだけです』