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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第27章 飛べない鳥・・・
『俺は・・・』
コイツの、この不気味さと威圧感に
しっぽを巻いて逃げるくらいなら
初めから・・・こんな事はしない
『俺は・・・転居して、ここを離れます
ですので、あなたの前に現れる事は
金輪際、ないと思います
いえ・・・二度と、ありません
あなたには…二度と会わない』
俺は、ようやく
その話を切り出した
ピク・・・っと引きつった
マリアの表情を
見ないように意識していても
俺の目は捉えてしまっていた
勝手な言い分だが
だから…マリアを
同席させたくはなかった
席を外させても
動揺や不安を与えるのは同じだけど
せめて、彼女を
こんな圧迫感のある空間に
居させたくなかった
無論・・・本題(ハナシ)は
そんな話では、ないから…余計にな
『フッ……〃俺には〃?…だと?
コイツには会うのか?……フフフっ』
ヤツがワイングラスを
クルクルと回しながら
背中越しに
斜め後ろに立つマリアを指した
『・・・。いいえ
彼女にも・・・奥さんの前にも
決して現れたりしません』
俺が声を発すれば発する程
マリアが動揺していた
そして……俺の言葉に
その瞳は、哀しそうに・・・
『クククっ・・・ならご挨拶か?
ご丁寧にどうも・・・
残念ながら、お呼びではないが
そういう事なら聞き入れよう
~お前、中々…面白なヤツだな?』
『もう…あなた方の前に現れたりしません
ですから・・・今日は』
『・・・』
『今日は・・・最後に
あなたに、お願いがあって来ました』
そんな事を…言えた立場ではない
そんな俺を
眉ひとつ動かさずに
ヤツがワイングラスを片手に首を傾げた
『彼女のことを
まりあさんのことを・・・
・・・幸せにして下さい』
コイツの、この不気味さと威圧感に
しっぽを巻いて逃げるくらいなら
初めから・・・こんな事はしない
『俺は・・・転居して、ここを離れます
ですので、あなたの前に現れる事は
金輪際、ないと思います
いえ・・・二度と、ありません
あなたには…二度と会わない』
俺は、ようやく
その話を切り出した
ピク・・・っと引きつった
マリアの表情を
見ないように意識していても
俺の目は捉えてしまっていた
勝手な言い分だが
だから…マリアを
同席させたくはなかった
席を外させても
動揺や不安を与えるのは同じだけど
せめて、彼女を
こんな圧迫感のある空間に
居させたくなかった
無論・・・本題(ハナシ)は
そんな話では、ないから…余計にな
『フッ……〃俺には〃?…だと?
コイツには会うのか?……フフフっ』
ヤツがワイングラスを
クルクルと回しながら
背中越しに
斜め後ろに立つマリアを指した
『・・・。いいえ
彼女にも・・・奥さんの前にも
決して現れたりしません』
俺が声を発すれば発する程
マリアが動揺していた
そして……俺の言葉に
その瞳は、哀しそうに・・・
『クククっ・・・ならご挨拶か?
ご丁寧にどうも・・・
残念ながら、お呼びではないが
そういう事なら聞き入れよう
~お前、中々…面白なヤツだな?』
『もう…あなた方の前に現れたりしません
ですから・・・今日は』
『・・・』
『今日は・・・最後に
あなたに、お願いがあって来ました』
そんな事を…言えた立場ではない
そんな俺を
眉ひとつ動かさずに
ヤツがワイングラスを片手に首を傾げた
『彼女のことを
まりあさんのことを・・・
・・・幸せにして下さい』