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甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第9章 戸惑い
何だかそのまま紫艶が消えてしまいそうで、そっと紫艶の頬を撫でた。
冷たい頬に触れると、長い睫毛がピクッと動いて、ゆっくりと瞳が開いた。
「朝からお前は、元気だなぁ…。」
眠そうにそう言った紫艶が、その瞳をテーブルへとうつす。
何だろう?
気になって、私もそちらへと視線をうつすと、テーブルの上に置きっぱなしになった私の鞄があった。
「お前のスマホ、昨日から何度も着信あったみたいだ。チカチカ光ってた。確認した方がいいんじゃないのか?」
「あっ…!!」
紫艶に言われて、昨日の出来事を思い出す。