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甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第9章 戸惑い

「紫艶…私帰るね…。」

「あぁ…今夜も店に来いよ。おやすみ…。」


返事はないと思っていたけど、布団から顔を少しだけだして、紫艶が私に手を振ってくれた。

ただ、それだけで嬉しい。

私は急いで紫艶の家を出ると、ジョーに電話をかけた。

でも、何度かコールをしても、ジョーは電話に出ることはなかった。


寝ちゃったのかな…?


夜通し起きていたはずだから、寝てるのかもしれない。

そう思った私はスマホを鞄にしまい、自分の家へと歩いて行った。

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