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行こうぜ、相棒
第5章 Maneater



ふたりは新市街のイタリアン・レストランでランチをとっていた。
今日のランチはA.マトウダイのグリルか、B.仔牛のカツレツ。エリがA.マトウダイを、リエがB.仔牛をオーダーしていた。
二ヶ月か三ヶ月に一度、こうして双子の姉妹は顔を合わせ、食事を一緒にとる。

子どもの頃から変わり者で、しかしとても親密だったエリとリエ。誰にも理解されず、誰の理解も求めなかった双子たち。互いの尾を噛み合う二匹の仔猫のように、その小さなリングは完全に完結していた。

小学生の頃に、双子はひと晩行方不明になる事件を起こしたことがあった。家族で避暑地の別荘に出かけた夏のことだ。
人里離れた山あいの別荘地であり、夜中には明かりを灯す店もなくなる。そんな中、丸一日双子は帰宅しなかった。両親は地元警察に捜索願いを出し、ふもとの村の消防団が捜索隊を出動させる間際に、双子はふらりと帰宅した。
特に衣服が乱れるでもなく、ただ「迷子になった」とだけ言って、それ以上道中の事柄を一切口にしない双子たちに、周囲の大人は戸惑った。が、なにより無事に見つかったことの安堵から、いつしかその疑問はかき消された。

――それからしばらくの間、双子は互いを入れ替えて生活していたのには、両親ともに気づくことはなかったが。



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