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行こうぜ、相棒
第1章 the kiss on my lists



ヤメテ。
ソンナ風ニシナイデ。

気持ちは、言葉にならない。
唇をかんで、首を横に振るだけだ。
レイプまがいの、そんなやり方。
横暴に女の自由と尊厳を奪い、勝手にそのデリケートな秘部に汚れた手を伸ばす。そんな乱暴な行為に感じる女がいるなんて、男たちの幼稚な妄想に過ぎない。こんな風に身勝手に身体の聖域に触れるなんて、決して許されてはならない。

エリの中で怒りと悲しみが同時に訪れる。
身体がカッと熱くなり、腹の底が苦しく震える。

男の手が伸びて、エリの顎を捉える。
男は何も言わず、横を向くエリの顔を自分の方に向けさせる。エリは拒絶し、顔を背けるも、男がひとたび掴んだ手に力を込めると、身体を走り抜ける鋭い痛みに、されるがままになるしかない。
男の指はエリの顎を掴んで、自分の方に向かせた。


男の目が、目の前にあった。
黒く縁取られた底のない闇が、エリを射抜く。
何も言わず、男はエリの目を見つめる。


先ほどの荒れた態度とは全く違う時間が、そこには流れている。


あらゆる言葉を飲み込んで、沈黙する闇。
しかし深く澄んで、何故か痛みと悲しみの光が宿る、闇。

男の抱える複雑な胸の内が、そのわずかな燐光に明かされる。
性の欲の中で男はエリを捉え、そしていま男にも理解できない何かを、男はエリに明かしてしまった。ただの戯れだったはずが、図らずも心の深淵の灯火を、男はエリに明かしてしまっていた。
男は戸惑い、そしてその悲しみが深まる。



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