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甘い時間は2人きりで
第11章 同窓会

「茜、携帯借りるよ」
彼女の携帯を持って少し離れた場所に移動した。
隣の彼女は、眠いのか頭がカクカク動いている。
「眠い?」
「ん…」
「俺に寄り掛かってもええよ」
寄り掛かって眠る彼女に、顔か見えないよう上着を掛けてあげる。
もし俺を知ってる誰かに見られても、彼女のことが分からないように。
「お待たせ。おじさんに連絡して、この通りに迎えに来てもらうようにしたから」
俺にくっ付いたまま離れない茜さんを見て、珍しいものを見るような視線を送られる。
「こんなに甘えたになるんだね…ねぇ知ってる?茜って、大学の頃から酔うと甘えたになるんだよ。それでオトコが勘違いして…」
「えっ!?」
「まあ、私がお持ち帰りを阻止してたけどね」
お持ち帰りされてなくて安心。
「こんなにベタベタくっ付いてはいなかったけどね。口では『寂しくない』って言ってても、心のどこかが誰かに甘えたいって思ってるんだよ」
「そうっすね」
「山岡くんと出会って茜は変わったわ。だから茜のこと大切にしてあげてね」

