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花菱落つ
第3章 信玄
「見知ったことはすべてわしに寄越せ」
「はい」

 義信は信玄の嫡男だった。だが、親子だからといって心を許す訳にはいかないのが世のならい。信玄自身、重臣たちと謀り父の信虎を駿河へ追放して、武田家当主の地位に就いた。義信が信玄に対して同じことをしないとは言えない。ましてや川中島の後義信の後見として立てた傅(もり)役は、信虎追放にも大きく関わった宿将飯富(おぶ)虎昌なのだ。

 凪が侍の子なら女文字である仮名だけでなく、漢字の読み書きができるはず。うまく義信に近づくことができたならば、文を盗み読むこともできる。もちろん容易いことではない。信玄は凪の他にも多くの者に同じ任を与えていた。念には念を入れて事に当たるのが、信玄のやり方だった。

「うむ、愛い奴じゃ」

 緋袴に続いて、白衣が脱がされた。生まれたままの姿を信玄にさらした凪は美しかった。少女の見た目に少年の持ち物。凪は類い稀なる「ののう」だった。信玄の好みを理解した上で凪をあてがった千代女の判断は正しい。

 任は伝えた。後は信玄のお楽しみの時間だった。
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