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堕天使 1st gig.
第8章 過去
俺はリナの言葉を考えていた。親父を憎んでいたから俺は軍人になったのか?

『それは違う。』

と俺はリナに答えていた。確かに後悔はしている。親父の言う通りに本の一冊でも読んでいれば、あの時の親父の言葉の意味を俺は理解出来て、もう少し違う人生を選んでいたかもしれない。

それよりも親父達が生きていれば俺はこんな風になっていなかったかもしれない。それでもあの時の俺はただ、あの時の地獄から抜け出したくて、自分自身で自分の死に場所を探して軍に入っていた。

だが、戦場でも今も俺は無駄に死にたくないから生き残る道を選んでいる。親父は俺に俺の命は俺のものだと言っていた。俺はたったそれだけでも馬鹿な俺に理解させてくれた親父に感謝している。

だから俺は自分の為に生き続けて来た。

そして…

『そして、今はお前の為に生きて帰りたいと思っている。だから俺はリナの為に戦ってやる。』

そう俺が言った時にはリナはもう眠っていた。雨はまだ続いていたが、俺はリナを抱えて久しぶりにまともに眠っていた。

翌朝、目が覚めた俺はリナの寝顔を眺めていた。ゆっくりと目を開けて

『アルト…?』

と寝ぼけたように聞いて来る。リナにキスしてやるとリナが俺のキスに応えていた。

リナの頬にキスして、リナのパジャマの上からリナの胸を指先だけで撫でてやる。

『んっ…。』

リナが紅くなって目を閉じるから俺はリナの耳を舐めて

『少しは大人になったのか?』

と聞きながらパジャマに突き出て来たリナの胸の先を指先で押してみた。

『ふにゃぁ…、まだ無理ぃ…。』

トマトのようになったリナの顔が可笑しくて俺はクスクス笑っていた。

『まだまだゴッコの女だな…。』

そう俺が言うとリナは半泣きの顔になる。今のリナは過剰反応をしているだけだ。記憶がなく、羞恥心がなかったリナは、今は知識が増えた分、自分の昔の行為を過剰反応気味に恥じている。

だけどゴッコの女と言われるとリナは傷つくらしく

『やっぱり…、そういうの無いとダメぇ?』

とまだ頬をピンク色に染めたリナが甘えるようにやたらと可愛い顔で俺に聞いて来た。
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