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堕天使 1st gig.
第30章 レセプション
いつもの深夜にいつもの廃墟ビルでいつもの大隊が取り囲むいつもの壊滅作戦…。

作戦開始合図もいつもの大将の号令で俺はいつもの感覚でマシンガンを抱えて走り回り、雄太が無線で

『5ゲット!』

と叫ぶから俺は

『悪い!今6と戦闘中だ。』

と言い返す。

戦場は嫌いだ…

だけど戦場だけが俺はガキではなくトップを走れる人間だから、その時間は俺は好きだ。

日常は嫌いだ…

日常は俺はずっとガキのままで誰にも何もしてやれずにただひたすら不機嫌にイライラしてしまう。

『制圧完了!』

真っ先に俺が無線に叫び、宗司が俺に

『ご苦労様です。』

といつもの涼し気な顔で言って来る。返り血と火薬塗れなのにご機嫌になる俺は

『雄太の奢りな!』

と雄太に無線を入れてやる。雄太が

『次は絶対に勝つっす!』

といつもの台詞を叫んでいた。

本部で報告書類を片付け、夜が明けると俺は家に帰り、朝飯を食ってたリナが俺に

『おかえり。』

といつものように笑っている。美優が俺の足元に来て手を伸ばして

『あー。』

と言って来るが俺は

『父さん、ちょっとだけ寝かせてくれな。』

と美優の頭を撫でてやる。寝室で1人になってベッドに入って身体を休ませる事を考える。

もう自分が不機嫌なのかご機嫌なのかすらわからずにただ疲れていて泥のように眠っていた。

俺の顔に何かが触れるから目を開けるとリナがいた。美優を見る時みたいに穏やかな母親の顔で俺を見ているリナに

やっぱりガキなのは俺だけか?

と俺はまた動けなくなりそうな感覚を感じる。

リナが

『もうとっくにお昼過ぎたよ。また昼寝し過ぎたら夜が寝れなくなるよ。』

とただ俺の髪を撫でていた。

『美優は…?』

『お昼寝中…。』

『ならリナも寝ないか?』

そう言って俺はリナの腕を掴んでいた。リナは

『どうしたの?』

と不思議そうに俺を見ていた。

『怖いんだよ。俺はいつまでもガキだからな。』

と初めて本音をリナに吐いていた。リナが成長すればするほど、美優が成長すればするほど、ダメ親父の俺は居場所がなくなる気がして怖かった。
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