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堕天使 1st gig.
第36章 未来へ
そんな狂った科学者とリナは全く関係がないと俺は思いたかった。だが、母親のマリアの話しを見る限り、リナの体質などは明らかにマリアの遺伝だと考えざるを得ない状況だった。

だから全く無関係であるとは言えないのだが、リナが市ノ瀬 理菜のクローンなのか、何なのかを今から俺は3冊目の日記から読み取らなければならないと思うと憂鬱な気分になっていた。

情報は自分が知りたくないものも出て来る。だからそれを知る覚悟が必要だ。

そう言った五十嵐が強い男だと俺は少し羨ましく思い、だけど俺はリナと美優を守りたいから強くならなければならないから俺は覚悟を決めて3冊目を読む決意をしていた。

宗司が俺と五十嵐の為に食事のコーヒーを入れ直し、俺は再び1人でソファーに座り、3冊目を開いていた。

それは市ノ瀬 理菜の成長日記だった。

「理菜が初めて私を見て笑ってくれた。ずっと寝てばかりだったリナだったが少しずつ笑顔などの表情を見せるようになってくれた。マリアにそっくりなこの笑顔を私は絶対に守ってみせると心に決めた。」

「理菜が今日寝返りをした。なんだかとても楽しそうで嬉しそうに寝返りをする。そんな理菜の成長が今の私にはたまらなく愛おしいと感じてしまう。」

と俺が美優で経験したような内容を市ノ瀬も経験し、娘の理菜をかなり溺愛していたとわかる内容だった。

ただ凄いと思ったのは、理菜が飲んだミルクの量、それに対して排泄されたうんちの回数、更に理菜の体重に身長までが毎日欠かさず記録されている事だった。

少し気になったのは

「理菜が熱を発した。かなりの高温で脱水症状を示している。普通の子なら大した事がない病気なのだが、やはりアルビノ遺伝の影響で理菜は気温に弱く、自分の体温にすら耐えられないようだ。」

「朝には理菜の顔や腕に発疹が出た。だが、理菜が衰弱し始めたから私は点滴を施した。このまま熱が下がらなければ理菜を失ってしまう。それだけは私は耐えられない。」

「やっと熱が下がってくれた。理菜は扁桃腺もあまり丈夫ではないようだ。今後、炎症などによる発熱にも理菜の場合は気を付けなければならない。」

という病気の時の症状だった。
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