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ぼでぃ・ぴろぅ
第2章 2
夏休みになると、しもべ生活もなくなり平穏な毎日がやって来た。
一番上の兄の紹介で、夏休みの間だけバイトを始めた。
ドライフルーツやナッツの製造工場でパック詰めされた商品へのシール貼り。兄の勤務するスーパーで取り扱っている食品だ。
曲がらないよう商品の端を目安線にし、ひたすら黙々と食品表示のシールを貼り付ける。
肉体労働でもない、サービス業でもない、オレにぴったりなステキな職場があるなんて!適材適所とはこのことだ!
そんな浮かれ切ったオレもそう長くは続かなかった。3日もすれば作業に慣れ、気が抜けてくる。その結果、疲労感が襲ってきた。
つらい…対価を得るという事はそうそう甘いもんじゃないと身を以って知った17歳の夏。
「にーに、バイト辞めたい」
会社から帰宅して夕食中の兄に泣きついた。
「バカかお前、紹介した俺の顔を潰す気か?あそこの社長にいい子が来てくれたって言ってもらえてるんだ、とりあえず後1週間頑張ってみろ」
いい子?それは有望な人材っていう意味だろう。そんな風に思われてたんだな。
オレと顔がそっくりな長男のにーには優しい。エロ漫画を教えてくれたのも、成年WEB漫画を自由に買えるように名義を貸してくれているのも、成人コミックスを書店で買う時に免許証を貸してくれるのも、全てにーにだ。
そんなにーにの恩に報いるためにも、オレは頑張るぜ。
約束の1週間が経つ頃には、つらさも無くなり手際よく熟せるようになった。このまま最後まで続けられる…そんな自信が漲っていた。