この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ぼでぃ・ぴろぅ
第2章 2
バイトでのつらさを乗り越えたオレはこの夏、男として一皮むけた気がする。
夏休みも残り3日となり、短期のバイトも満了した。
手渡しだったバイト代、数枚の一万円札を眺めながら、自分の勉強机に座り通話中。
相手は親友の山もと、明日の待ち合わせの時間を決めるために。
山元基則(ヤマモトモトノリ)苗字と名前から一文字ずつとって、山もと。うむ、略されてない。
岩形重流、オレも小学校から岩しげと呼ばれている。高校生になってからは普通に岩形、リア充からはいわっちと呼ばれることも。
「明日は髭剃るなよ?」
「わかってるよ」
なぜかというと、成年漫画を買うためだ。少しでもおっさんに寄せた方がいい。この日のために3日間あごの髭を生やしたままにしてある。
兄の免許証を借りて行くから買うことは可能だが、売り場で不審な目を向けられるのが嫌だ。
近くにもあるのに、わざわざ電車を乗り継いで遠方のアニメ専門ショップに行く。同人誌も充実していて、話の合う山もとと一緒に訪れるのは楽しみだ。
「買うもの決めたか?」
「おぅ、ざっとな。一番は、ほのりちゃんの2巻だな。おまけ本が付くんだぜ?」
「例のおまけ本…岩しげに必要ないじゃん」
「うるせー、ほっとけ童貞が!」