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ぼでぃ・ぴろぅ
第1章 1
濃いブラウンの艶っとした長い髪から、いい匂いを漂わせそうなギャルは、リンゴを刺した箸をブン回して、オレを睨みつける。
オレだって知らねーよ。一刻も早くこの場を去りたくて、掻っ込む勢いで弁当を消化してるじゃねーか。オレの努力を見ろっ。
そんないじらしいオレをじゃが芋呼ばわりすんじゃねぇええ!
いやいや…認めよう、確かにオレは芋くさいよ。髪は短髪で、スポーツ刈りの伸びたスタイル、手入れもしてない。例えワックスつけておしゃれに気取ったとしても、顔面が追い付かねーんだよ。
右目は一重、左目だけ二重、乱視の入った近視のため、度の強い眼鏡をかけてるから目が小さく見えちまう。
そもそもオレは漫画好きなイケてない人種だ。世間ではオタクと見られがちだが、ちょっと違う気がする。オタクと呼ばれるには『極め』が足りないと自負しているからだ。
嗜好は少年漫画全般だが、最近は兄の影響でエロのWEB漫画をたしなむようになった。その辺はお年頃ですので。
芋クサイのは、わかってんだよ!だから分をわきまえて、ひっそりと大人しく生きてんだろうに。
それなのに、あなた達は……
「えりちょ、これ、アタシの抱き枕だから気にしないでね」
さっきからオレの背後で可愛い声でしゃべってるのが多仲千夏帆。なぜかオレのケツの下に彼女の太もも。なんでオレが抱き枕にならなきゃいけないの?
泣きたいぜ……