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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第3章 結婚生活

妊娠・出産・子育て…と
慌しい生活の中で
私の楽しみといったら
半年に1回かそこらの美容院くらいだった。
誰に見せるというわけではなくても
いつも綺麗でいたいと思うのは
女なら当然のこと。
伸びきった髪を
オススメの髪型にカットしてもらうことは
私にとって唯一の気晴らしだった。
それも、半年に1回くらいなのだから
決して贅沢をしているわけではなかった。
なのに、あの日の主人は…。
私はカットだけしてもらうつもりだったのに
美容師さんの勧めるまま
緩いウェーブのパーマをしてしまったのだ。
原因は、ただそれだけのこと。
今まで何年もカットだけで我慢してたんだから
たまにはいいよね。
そんな軽い気持ちだった。
けれど、仕事から帰った主人は
私を見るなり激しく罵った。
『どこに、そんな金があるんや!
誰が働いた金やと思ってるんや!』
普段はカットしても気付かないのか
何も言わない人なのに。
あまりの悔しさに
このときばかりは涙が溢れた。
結婚前の貯金や
結婚後に私がアルバイトをしたからこそ
なんとかやりくり出来ていたというのに
何故こんなことを言われなければならないのだろう?
私は主人に愛されていない。
そのとき、ハッキリ思った。
ここに、愛のある家庭はないのだと……。

