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鬼ヶ瀬塚村
第10章 禁句
『では私もそろそろ行きますね』

宗二さんは茶碗の上に箸を乗せると手を丁寧に合掌した。

『私も仕事に戻ろうかな…』

真理子さんも空いた茶碗を重ねて立ち上がる。

『私は部屋へもどりまず…今日は往診に横山先生来るだばね…』

『伯母さん、肩貸すわ』

真理子さんが邦子さんに寄り添う。

『真理子ぉ、すまんねぇ』

邦子さんはブルブル震えながら立ち上がる。
そして歯を食いしばって"うっ""うっ"と唸りながら真理子さんの腕を掴んだ。

その2人の後ろで宗二さんが出掛ける支度をしている。

『伯母さん、はい、段差よー』

真理子さんと邦子さんはゆっくりと廊下をキュッ…キュッキュッ……キュッ…と小刻みに音を立てながら消えていった。

『じゃあ、お義父さん、お義母さん、信人くん…仕事へ行ってくるよ。今日も早く帰るからね』

宗二さんは立ち上がり玄関へと向かう。
危険な好奇心とは年を忘れさせるもののようだ。
僕も然り気無く立ち上がり、テレビに向かって"乳のちっせぇじょこをテレビなんがに出すんじゃねッ!"と喚く吾郎さんと、相変わらず寝た"フリ"をするカヤさんの後ろを通った。

玄関脇に止めた自転車をガタンッと起こし、宗二さんが色褪せた大きな麦わら帽子を被るのが見えた。

『お義父さん…』

僕は彼に声をかける。
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