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鬼ヶ瀬塚村
第15章 畜生道
『…それが、この村の秘密だったんですか?』
僕は藁の中で小さく震えた。
そしてある事に気付く。
『僕にどうして教えるんです?』
宗二さんは少し黙り、ゆっくりと話し始めた。
『真理子を…私は娘を深く愛しています。そして妻も…だからこそ…知って欲しかったんだよ、君に…』
宗二さんは僕をようやく離し、手の平で顔を拭いながら続けた。
『どうか許してくれ…信人くん…この事実を知った部外者は村の外には出せないんだ』
『えッ?』
『真理子は君を東京へ帰すよう私に頼んだ。何も知らない君を東京の元の生活へ戻すよう言った…しかし私には出来なかった…真理子が可哀想で可哀想で…』
そう言って彼は嗚咽を漏らす。
『真理子さんは…』
『娘はしんの…つまり鬼神になりました。巫女です。鬼神の巫女です』
『あの…僕、話がまったく…』
『妻の身体は限界だった…優子に初潮がくれば良かったのだが…あの子に来る事はまだないと横山先生が…いずれ来るかもしれませんが』
『どういう事ですか…?』
『鬼神巫女は代々村長がやるものなんだ。村長は命を生み出す事が出来る女神、つまり女性しか勤める事は出来ない。閉経を迎えた村長は10年以内に次の村長を選び、巫女とする…真理子は…娘は…自らそれを選んだのだ…妻や優子を守る為に…君と別れる事を選んだんだ…』
僕は藁の中で小さく震えた。
そしてある事に気付く。
『僕にどうして教えるんです?』
宗二さんは少し黙り、ゆっくりと話し始めた。
『真理子を…私は娘を深く愛しています。そして妻も…だからこそ…知って欲しかったんだよ、君に…』
宗二さんは僕をようやく離し、手の平で顔を拭いながら続けた。
『どうか許してくれ…信人くん…この事実を知った部外者は村の外には出せないんだ』
『えッ?』
『真理子は君を東京へ帰すよう私に頼んだ。何も知らない君を東京の元の生活へ戻すよう言った…しかし私には出来なかった…真理子が可哀想で可哀想で…』
そう言って彼は嗚咽を漏らす。
『真理子さんは…』
『娘はしんの…つまり鬼神になりました。巫女です。鬼神の巫女です』
『あの…僕、話がまったく…』
『妻の身体は限界だった…優子に初潮がくれば良かったのだが…あの子に来る事はまだないと横山先生が…いずれ来るかもしれませんが』
『どういう事ですか…?』
『鬼神巫女は代々村長がやるものなんだ。村長は命を生み出す事が出来る女神、つまり女性しか勤める事は出来ない。閉経を迎えた村長は10年以内に次の村長を選び、巫女とする…真理子は…娘は…自らそれを選んだのだ…妻や優子を守る為に…君と別れる事を選んだんだ…』