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鬼ヶ瀬塚村
第17章 神
そこには炎を前に舞う夜叉がいた。
白衣に美しい緋袴姿の夜叉だ。
その仮面の下、見慣れた黒い髪が揺れていた。

炎を前に舞う夜叉を中心にして村人達が酒を飲みかわして笑っている。
吾郎さんらしき人がチラリと見えた。
顔を真っ赤にして盃を嬉しそうに傾けている。

側には太鼓と囃子が並び、若い男達が音を力強く奏でていた。
大粒の汗を額に光らせ太鼓を叩く達弘さんの姿があった。
力強く太鼓を打ち鳴らし"ハッ!!"と掛け声を上げている。

女達が男集の周りを忙しく動き回りながら酒を注いでいる。
笑う紗江さんの姿が見えた。

その中央、炎を背にして夜叉は舞っていた。

村人がそれを見て笑い、歌い、同じように踊っている。

祭りだ。
そこには祭りがあった。

『どうだ?綺麗でしょう?』

僕の隣に立つ宗二さんが夜叉を見つめながら言った。その目は優しさと愛情に溢れ、穏やかに炎の輝きを反射していた。

僕は夜叉を見た。
夜叉の面をつけた真理子さんを真っ直ぐ見つめた。

『炎の中にいるのが昨日食べた女の身体だ。見えるかい?』

僕は炎を見た。
炎の中心には何か黒々した物が横たわっているようだ。
眼鏡がなくて心底良かったと思った。
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