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鬼ヶ瀬塚村
第19章 あの日
『ノブにはもう才能がないんだよ…』

真理子さんはポツリと言った。

沈黙がアパートの部屋に響いた。胸に響いた。

何故なら才能がないんじゃないか?と疑心になる日は1日たりともない日はなかったからだ。

その疑心と日々僕は戦っていた。
眠る時も、起きてる時も、疑心は僕の側を離れなかった。
真理子さん以上に僕の側にピッタリくっついて離れなかった。

疑心が囁くのだ























と…。

僕は囁きを振り切りながら生きてきた。
もう、止めてしまおうか…そう何度も思った。
けれど僕は信じている。
"卒業したら必ず来てね、期待してるよ"と言ったあの編集の言葉を。

彼は神だ。
僕を待ってくれているんだ。
救いそのものだ。

『…別れようよ』

僕は呟いた。

『…駄目だよ。無理だよ。産みたいなら勝手に産めばいい…でも僕は結婚できない…僕は…漫画家になるんだから…』

僕の呟きに真理子さんは号泣した。まるで迷子の子供のようにワーワー泣き出した。

僕は黙ってそれを聞いているだけだった。

漫画と真理子さんを天秤にかけた僕は、迷う事なく重りから真理子さんを弾き飛ばしたのだ。

僕には夢がある。
そして編集が待っている。
僕は行かなくちゃならない。
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