この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
鬼ヶ瀬塚村
第21章 掟の教え
僕は僕に秘密を喋った宗二さんへの咎めについて訊いた。

真理子さんは一瞬目を伏せ、悲しそうな顔をしたがすぐに目線をグッと持ち上げ僕を見た。

『掟だからね』

『…そうなんだ』

『ノブも掟なんかで死にたくなければ私と結婚しなくて良いわよ』

『………』

『カヤばあちゃんみたいにボケたフリもいいけど、私演技力無いもの』

真理子さんは言うと、再び階段を降りていった。

愛するが故に夫婦になれない。
掟が女と男を縛って夫婦にさせる。

宗二さんは弘子さんに食べられる事が怖く無いのだろうか。

『いずれ、人は死ぬよね…』

僕は呟き、無言で階段を降りる彼女に続いた。

やがて暗い畦道沿いに出た。
街灯が点々と並んでいるが、民家の明かりもほとんどなく暗闇だった。

『ノブ』

真理子さんが背中を向けたまま僕の名前を呼んだ。

『何?』

『少しずつって自分でも言ってたじゃない?少しずつ村を知っていってくれたら良いわ』

『…うん』

この新しい居場所で僕は常識から逸脱した彼らの常識を学ぶのだ。

殺人を隠蔽し、得た報酬で村を豊かにし、そして神を崇め恐れ、死者の魂を空へと送る。

江戸時代から続くそれを部外者である僕も受け継ぐのだ。命は人生となり、人生は誰かの人生を繋げる。時に誰かの人生すら作ってしまう。
無意識であっても。

一番最初に人間の肉を食べた人物から数百年の時を経て、今僕に繋がってるんだ。
/486ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ