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鬼ヶ瀬塚村
第4章 荒岩一族との初対面
妙な違和感を感じながら適当に談笑していると真理子さんが

『お母さんどうしてる?』

と一郎さんに尋ねた。

『ああ、二階で大人しぐしでる。横山先生に診て貰ったんだげんど今すぐどうって話じゃねぇって』

『そうなんだ、ノブと一緒に二階行ってもいい?今大丈夫かな?』

真理子さんの問いに一郎さんは首を横に振った。

『今は駄目だ』

『そうなんだ…』

『夜んなっだら呼ぶがら、そん時に行ってやってくれ?会うの楽しみにしとるがね』

少し沈黙があってから真理子さんが口を開いた。

『こんじゃに下がばどどっだんけ?』

僕は一瞬ビックリして真理子さんを見る。
真剣な眼差しで一郎さんを見つめていた。
真理子さんが鬼ヶ瀬塚村の言葉を使うのがなんだ少し不気味で不思議だ。

『下がばどどっだんげ?』

真理子さんがまた同じ音を繰り返す。

『どどっだんが?』

また

沈黙の後、一郎さんが

『下がばはしにどどが…昨日まだがれだ。だげまだぎがえずはむだべな…』

さっぱり理解出来ない言葉がちゃぶ台の上を飛び交う。

『なでわじらのあげ知っどっで、まだがせただ?こやちゃどどにはだぬきが裏返りよるだっぺ』
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