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鬼ヶ瀬塚村
第29章 典子
シュッシュッシュッ!と小気味よい摩擦音、僕は湯気を掻き分けて音の元へと歩み寄った。
『あ…た…たな…田中さん』
そこにはデッキブラシを握る典子ちゃんの姿があった。
学校は休みなのに関わらず、白いセーラー服姿だ。
『掃除中かな?』
僕が言うと典子ちゃんは顔を真っ赤にさせて小さく頷いた。
『手伝うよ』
僕が近寄ると彼女は同じ分だけ後退る。
『わ…わ…わだじど…』
『典子ちゃんと話せば御咎めを貰うんだろ?でも、誰も居ないじゃないか、大丈夫だよ。そっちのタワシを借りて良いかな?』
僕が典子ちゃんの背後にある茶色いタワシを指差すと、彼女は俯きながら"はい…"と小さく答えた。
僕はジーンズを膝下までめくり、タワシで岩の地面を擦り始めた。
シュワッシュワッシュワッシュワッとタワシが軽快に鳴る。
典子ちゃんはそんな僕をしばらく見下ろしていたが、やがてデッキブラシを動かし始めた。
『1人で掃除なんて大変じゃない?』
僕の問いに典子ちゃんは無言だ。
ただ、頬を赤く染めてデッキブラシを動かしている。
『典子ちゃんがいつも掃除してるの?』
『………』
『暑くて大変でしょ?』
『………』
『あ…た…たな…田中さん』
そこにはデッキブラシを握る典子ちゃんの姿があった。
学校は休みなのに関わらず、白いセーラー服姿だ。
『掃除中かな?』
僕が言うと典子ちゃんは顔を真っ赤にさせて小さく頷いた。
『手伝うよ』
僕が近寄ると彼女は同じ分だけ後退る。
『わ…わ…わだじど…』
『典子ちゃんと話せば御咎めを貰うんだろ?でも、誰も居ないじゃないか、大丈夫だよ。そっちのタワシを借りて良いかな?』
僕が典子ちゃんの背後にある茶色いタワシを指差すと、彼女は俯きながら"はい…"と小さく答えた。
僕はジーンズを膝下までめくり、タワシで岩の地面を擦り始めた。
シュワッシュワッシュワッシュワッとタワシが軽快に鳴る。
典子ちゃんはそんな僕をしばらく見下ろしていたが、やがてデッキブラシを動かし始めた。
『1人で掃除なんて大変じゃない?』
僕の問いに典子ちゃんは無言だ。
ただ、頬を赤く染めてデッキブラシを動かしている。
『典子ちゃんがいつも掃除してるの?』
『………』
『暑くて大変でしょ?』
『………』