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あなたの胸の中で眠る花
第6章 縮まる距離

とりあえず仕事してるけど……全く集中できない。

滅多にしない注文ミスやおつりを間違えたりして焦り、社長の奥さんに心配される。

「心ちゃん、大丈夫?顔色良くないけど…」
「大丈夫です、すみません…」

心配なのは一条さんだ。あんなに真っ赤な顔をして、咳もひどかったし…。環境が変わったからきっと体調を崩してしまったんだろう。今日は遅番だから、帰りは20時過ぎてしまう。

時計を気にしながら、レジ横にあるドリンクを補充する。

病院に連れて行ったほうがいいのかな。でも、動ける感じじゃないし。後で薬とポカリと冷えピタ買って行こう。
色々考えていたら、ドリンクを落としてしまった。

「すみません!」
「心ちゃん、しんどいなら今日は早く上がってもいいわよ。予約も少ないし、思ったより暇だから大丈夫よ」

社長の奥さんは優しい。

「でも、今日人数少ないから…」
「平気よ!いつもこき使ってるから、休ませてあげないとね!」

冗談交じりに言うところは少し佳永子先生に似ている。
というか、おばさんはこういう人が多い気がする。



正直、体調は悪くないのだが、流れで早退することになった。
今日は帰りたい気持ちがあったから、否定もしなかった。元々血色のいい顔もしてないし。



「すみません、お先に上がります」



嘘をついたのは初めてだった。
今まで無遅刻無欠勤、早退もなく、学校でもそうだったのに。

ただ、一条さんの苦しそうな顔が離れなかった。
あの時助けてくれた人。命の恩人だもの。


今度は私が助ける番だ。

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