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人魚島
第4章 咲子の村案内
咲子が自動ドアを開いて中に入れば爆音で懐かしいパラパラが店内の曲として流れていた。
中はスナックマーメイドの規模より広い酒場だった。
咲子が言うには三咲さんのスナックマーメイドは"島唯一無二の酒場"らしいが、確かに純粋に酒だけ提供する酒場はスナックマーメイドだけだろう。
何やらバニーガールを模した格好の女性がやって来た。

『咲子やん?』

『ああ、正子の母ちゃんか、久しぶりやな、元気?』

30代前半か半ばと言う年の頃、無造作に脱色したショートカットヘアーで咥え煙草を気だるそうに咥えハスキーボイスで『アンタが噂の東京から来た咲子の親戚ぃ?』とややぶっきらぼうに訊ねる。

『はい、蔵前から来ました』

『なんや明の若い頃に似てるなぁ、あ、うちな明の幼馴染みで明の4歳年下やから33歳やねん』

無表情で続ける正子のお母さん。

『うちは正美、呉市でチーマーのヘッドしててん、懐かしいなぁ、あ、まさか蓮ちゃんに会いに来たん?』

『うん、空いとる?』

『蓮ちゃんなら部屋で煙草休憩中や、30分位身体休めてるから遊びに行ったら?部屋は最上階や』

『解った、おおきに、またな』

正美さんと別れエレベーターを利用し最上階に上がれば何やら甘ったるい香りが立ち込めた部屋にすぐさまエレベーターを出た場所に繋がっていた。
鼻歌が聞こえた後『きぃぃッ!』と言う奇声とバリンッと何か陶器が落下し割れる音がした。
慌てて咲子と台所らしき扉を開けば蓮さんが『ひぃぃッ!虫が見えるぅぅッ!』とネグリジェ姿で床に散らばった破片を掻き集めていた。

『蓮、落ち着いてッ!うちや、咲子や、久しぶりやな』

咲子が暴れる蓮さんの手を掴み上げた。
真っ黒なマスカラやアイシャドウをボロボロ涙で滲ませながらハッと蓮さんが顔を上げる。
まるでさながらハーフみたいな顔付きの妖艶な美女だった。

『なんや、咲子やん…』

落ち着きを取り戻しフッと笑う蓮さん。
口紅はイカスミパスタを食べ終わったかの様に黒い。
全身入れ墨だらけの長い四肢がゆっくり立ち上がる。
背丈は170㎝程で僕より高そうだった。

『何か飲む?てかビールしかねぇや』

蓮さんがピンク色の刈り上げ頭を無造作にポニーテールにしながら冷蔵庫を開いた。

『珍しく客のジジィが痛風で来れやんから、一時間はお茶引きや、ちょうど休憩時間やわ、付き合いなよ?』
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