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人魚島
第5章 夏祭り
『なんや、おるんやったら…早く出迎えろや』

また泣いていたのかマスカラや黒いアイシャドウを滲ませた蓮さんがニットのロングパーカーを羽織ながら生足で居間に駆け込んで来た。

『また泣いてたん?』

三咲さんが眉ねを寄せた。
犬猿の仲は周知だったが心配しているらしい。

『シャブが切れたんや』

焼酎の瓶を傾けながら蓮さんがドカッと胡座をかいた。
黒いTバックが丸見えだ。

『アンタまだシャブやってキメセクしてるんか?10年近くヤッてるやろ?死ぬで?止めや?』

『母ちゃん、キメセクってなぁに?』

咲子と花子が興味津々に訊ねた。
目がキラキラしている。

『アンタ等は知らんでええ、朝から酒くっさいなぁ、このアホたれ、座敷に布団敷いたるけん、ちょっと眠りんさい?』

『オナニーすんで?』

蓮さんが相変わらず煙管でブラックデビルを吸った。

『孝想ってオナニーすんで?』

ニヤリとする蓮さん。

『はぁ、まぁ、好きにつこたらええねやわ』

三咲さんが立ち上がり奥の座敷に姿を消した。

『咲子初タトゥーか』

『ちゃう入れ墨や』

入れ墨を彫られた直後なのか顔を真っ赤にして泣き喚く咲子の一枚があった。
痛々しく生々しい。

『こっちは3歳、保育園や』

『はぁ、まぁ、可愛い餓鬼やったんやな』

蓮さんがニヤニヤしながら咲子を小突いた。

『これが小学生や、入学式やな』

脚をクロスさせ、顎をグッと引いた見事な美少女が写っていた。
もはや美少女の風格は満載だった。

『この頃からモテモテや』

『入れ食いか』

蓮さんがノロノロ立ち上がり三咲さんと入れ替わる形で奥の座敷を陣取った。

『寝煙草しなや?』

『解ってる、煙管預かっておいてや?』

蓮さんが三咲さんに煙管を手渡した。

『花子のアルバムもあったやろ?』

神清をグイグイ呑みながら明さんが言う。

『あるけん、咲子が大半を庭先で焼いちまったけん、二枚しか無いし、一枚は間違えたんか知らんけど知らん子が写っとるがな、ちょっと待ってて、取って来るけんね』

再び三咲さんが立ち上がりしばらくして二枚の写真片手に戻って来て僕に写真を手渡した。

『この子は誰ですか?』

鮮明なカラー写真、セーラー服の美少女が眼鏡の美青年とピースサインを浮かべていた。
白い砂浜をバックに背後にはセーラー服姿の咲子も写り込んでいた。
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