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人魚島
第5章 夏祭り
何故だか直感でそれが花子12歳だと解った。
小学校の制服なのか背後でこちらを睨む咲子とは別のセーラー服だった。
隣に写り込んでいる眼鏡の美青年がウオトこと魚人様だと気付くのに数秒掛からなかった。

『これは花子じゃ無いんですかッ?』

興奮しながら僕は三咲さんを見上げた。
三咲さんは『転校して消えた島の女の子やろ?しかし、見覚え無いなぁ』と首を傾げる。

『咲子なら知ってるよねッ?この場に居たんだもんッ!』

『何アンタさっきから興奮しとるんや?あたしはこんなん知らんで?全く覚えとらんけんな』

『で、でもこうして三人写ってるじゃんッ?』

『やかましいなぁ…知らん転校生やろ』

そのまま自分のアルバムを眺め出す咲子。

『あ、あの…』

僕は三咲さんを見上げた。

『なんや?』

『この写真貰う事は出来ますか?』

『知らん子やで?構わんの?』

『構いません、この写真が良いんです』

黒く長い髪の毛を靡かせたこの美少女が花子だと言う確信は無かったが、間違い無くこの美少女が花子だと言う信念めいた感情があった。

『花子は昔髪の毛長かったの?』

花子に訊ねれば花子が『うん』と笑いながら頷く。

『大事に伸ばしてたけど、お姉ちゃんに去年の暮れに鋏で切られてん、お姉ちゃんより長かったのに…』

やはりか。
間違い無くこの美少女は花子に違い無いッ!

『その話はもう話題に出したらアカン、春樹くん、こっちの写真見たら?』

三咲さんがモザイクが掛かった赤ちゃん時代の花子の写真を手渡して来た。
改めて見れば花子の顔面には渦潮の様なモザイクが掛かっていて生憎その産まれ立ての顔を拝めなかった。

『うちの方が可愛いけん、醜い花子の顔を神様が隠しとるんや』

咲子がニヤリとする。
背筋がヒヤッとした。
咲子のその笑みが世界一醜く見えて僕は目蓋を擦った。

『ああ、父ちゃん…報告があるけん』

咲子が呟いた。

『なんや、改まって?』

『うちハルキのお嫁さんになるけん』

『そうか』

寡黙にキャメルを吸う明さん。

『もうハルキとはエッチしたけん』

『そうか』

いちいち明さんの返答にやきもきした。

『子作りは学んだけん、見守っといて』

『いつ結婚するんや?』

『ハルキが大学卒業するタイミングやけん21歳や』

『そうか』

『赤ちゃん沢山産むけんねッ!』
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