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人魚島
第5章 夏祭り
禅さんがフォトジェニックの安いギター片手に立ち上がる。
ドラム一式迄どうやって運んだのか並んでセットされていた。
正太郎さんも居る。
遠くには蓮さんやミケさんのプレハブハウスが並んでいた。

『前前前世や、弾けるか?』

禅さんがチューニングしながら胡座をかく。
僕も胡座をかいた。
咲子も僕の隣に座り込む。

『弾けますよ、少し前に流行ったタイミングに練習したから多少耳コピですが弾けますよ』

はにかむ僕に『悪くねぇよ』と笑う禅さんと正太郎さん。

『アンプは流石に重くて持ち出せねぇけどよ、ここなら誰にも邪魔されずに練習出来るぞ』

僕にPLYETECHの9000円程度のベースを手渡しながら『こいつが敦が去年呉市で買って来たPLYETECHのベースだ、大事に使えよ』と笑う。
そして『ガッツリ行くか、祭の前祝いだ』と発泡酒を傍らのビニール袋から取り出し4人で乾杯し、セッションした。
不意に赤神様の話題になり、禅さんは去年、正太郎さんは一昨年前にそれぞれ三咲さんと蓮さんによって"オトコ"にされたらしい。

『咲子の母ちゃん別嬪だよな、俺未だにマス掻くもん三咲さんで』

『なんだって俺の場合は魚姫の蓮なんだよ』

二人は愉快そうに肩を揺らした。

『あれ以来セックスしてねぇよ、彼女欲しいな』

ああ、穂波さんは禅さんの事が好きなのだ教えてやりたい。

『春香は?』

正太郎さんが煙草に火を付け?ニヤリとする。

『春香Eカップらしいぞ?ヤルしかあんめぇよ』

『春香可愛いからな、男いるんじゃねぇの?』

『いや、確かいねぇって聞いたから今日二人切りにしてやるから祭で告白しろよ?』

『なんだかなぁ…ヤリてぇだけみたいじゃん』

『んな事ねぇよ』

ふと顔を上げてみれば10メートル程離れた場所にウイスキーの小瓶を呷りながらブラックデビルを吸うミケさんが立っていた。
泣いている様子だった。

『ミケさん?』

立ち上がりミケさんに近寄れば『こっち来んな』と踵を返すミケさん。

『ミケさんッ!』

思わずミケさんの手首を掴み制する僕。

『一体どうしたんですか?』

ミケさんは泣き腫らしていた。
マスカラや付け睫毛が剥がれ目の周りは真っ黒だ。
ちょうど試合直後のボクサーみたいになっていた。

『み、三咲にフラれた』

泣きじゃくり自棄酒するミケさんを宥めた。

『座りませんか』
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